Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月13日、シーホース三河(同、三河)と対戦して最大23点差をひっくり返し81-76で勝利した。
2位の三河を2ゲーム差で追う3位のSR渋谷と、同地区で順位を争う両チームの直接対戦となる今節。SR渋谷は前節の試合で28点差の大敗を喫していた中、「そこから学ばなくてはいけない。チームでどう戦うのかということを強調してやっていこう」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))と臨んだ。
試合は「良いかたちで打てていた」(田中大貴選手)が3ポイント(P)シュートがことごとく外れ、4分近く得点が決まらない重い立ち上がりとなる。7-18で迎えた第2クオーター(Q)中盤には、インサイドへのアタックからの攻撃で得点を上げるが、三河の攻撃を止めきれず、点差は変わらないまま試合が進む。同Q後半には、この日最大となる23点のビハインドを負うが、「特別意識したわけじゃないが、中から外に来るボールが一番打ちやすいと思うし、もっと良いかたちで打つために」田中選手がインサイドへのアタックからアンソニー・クレモンズ選手の3Pをアシストするなど攻撃のリズムが出始め、25-45で前半を折り返した。
前半を「オープンは作れていたがスコアできず、リバウンドも負けて、ターンオーバーもしてしまうなど(悪いことが)重なってしまった。メンタルを強くしていかないといけないが難しく、フラストレーションがたまっていた」と振り返ったパヴィチェヴィッチHC。三河のダバンテ・ガードナー選手に3P5本を許すなどしたが、「ガードナーはいろいろな攻撃ができる選手。3Pの3本は、スクリーンをかけたところからのシュートだった。僕たちはオフェンスファウルだと主張して倒れこんでしまった間にガードナーがオープンになった」と原因を分析した。
田中選手は「このレベルであのような点差がつくと、そこから取り返すのは難しい。3Qの頭でそのままの点数だったらちょっと難しいかなと思っていたが、逆に10点近くまで縮まったらチャンスがあるという風に考えて」後半を迎えると、立ち上がりでガードナー選手相手に体を張るなど、三河の攻撃を抑える場面も見られるようになる。
攻撃の起点となるガード陣が積極的にインサイドへアタックし守備のズレをつくると、「開き直ってどんどん空いたら打ってやろうと思っていた」と、前半シュートに苦しんだ田中選手も外角のシュートが決まり始める。三河がゾーンディフェンスを敷くと、ライアン・ケリー選手が身長差を突いて得点やアシストを重ね、ベンドラメ選手は3Pを2本連続で決める。津屋一球選手のプレッシャーをかけてミスを誘う好守もあり、58-66と点差を詰めることに成功した。
最終Qは三河が外角のシュートを狙ってくるなか、SR渋谷はジョシュ・ホーキンソン選手やジェフ・ギブス選手がインサイドで得点を重ね詰め寄り、田中選手のフリースローでこの日初めて三河の背中をとらえる。一進一退の攻防となる中、ギブス選手やベンドラメ選手に続き、「ボールが目の前にあったので…ファウル取られなくて良かった。なかなか守るのは難しいが体を張った」と田中選手がボールに手を出し三河にシュートを打たせななかった。終盤は、リバウンドで体を張るなどしたギブス選手が6本のフリースローを100%の確率で決め勝利した。
逆転勝利を「後半ディフェンスから流れを持ってこられて、あの点差を逆転するのは自分のキャリアを振り返ってもすごく珍しい試合だった」と振り返った田中選手。三河がスローインでミスをしたりフリースローを外したりする場面もあったが、「追いついてきていてすごく良い流れが来ていたし、会場のすごい熱量があったからこそそのままの勢いでいけた。ホームでなかったら完全に勝ち取れなかった試合。一体感をつくり出してくれたファンに本当に感謝している」と触れた。
攻撃でも積極性を見せたが、「(けがで)試合に出ていない時期もありコンディションが完全じゃないとか、ちょっとすっきりしない所はあるが、今シーズンかも大事だが、それと同時にその先のことも考えて自分を取り戻して状態を上げていかなきゃいけない。試合の中でどれだけできるのかが大事で、アグレッシブにやっている時が一番良い状態だし、今日はけが明けの中では一番自分の体も悪くなかった。これをもっと続けていく必要が個人的にはある」と話した。
両チームは14日も戦う。