Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月7日、京都ハンナリーズを88-81で下し連勝を収めた。
立ち上がりは守備のズレを生かして得点を重ねリードを奪うが、ゴール下の1対1や、「簡単な」レイアップなど「絶対にやらせてはいけないと言った所ができていなかった」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)と失点が続き、19-24とビハインドを負う。
同クオーター(Q)中盤から京都はゾーンディフェンスを敷いてきたが、「ゾーンに対しては強いと思うが、スクランブルになる場面があり空いているところは作れていたが見切れなかった」と得点が停滞。しかし、「攻守はつながっている」とパヴィチェヴィッチHCは守備が「一番の問題だった」と強調した。
点を取り合った第2クオーター(Q)は序盤にパスミスが続くが、ベンドラメ礼生選手の3ポイント(P)シュート3本、ジェフ・ギブス選手のインサイドでの得点に加え、京都のミスを誘う好守もあり、41-44で前半を折り返した。
後半序盤は互いに点を取り合うが、積極的にインサイドにアタックしてくる京都の攻撃を止めきれず背中をとらえきれない。中盤に2桁リードを許すが、ジョシュ・ホーキンソン選手がインサイドで得点を重ね守備では京都のシュートをブロック。終盤にはクレモンズ選手が3P、リバウンドからのシュートをブザービーターで沈め61-67で最終Qに突入した。
追う展開が続く中、京都のテクニカルファウルもあり場内のファンの声援が一段と大きくなる。京都のミスからの速攻でクレモンズ選手が3Pを沈め、ゾーンディフェンスに対してホーキンソン選手がインサイドで得点を重ねる。最終Q終盤には「1本止めるかどうかが勝利につながる重要な場面だった。少しでも簡単にシュートをやらせないために抑えることは自分のプレーだと思っていた」とギブス選手とホーキンソン選手が京都のシュートをブロックしにいくなど守備で我慢を続ける。
チームファウルがたまっていた京都に対し、積極的にリングへアタックし得たフリースローなどで残り約1分強で逆転に成功すると、44秒でクレモンズ選手が3Pを沈め点差を広げる。続くよう残り22秒でホーキンソン選手も3Pを決め突き放した。
クレモンズ選手は「ポイントガード、リーダーとして状況を読む、勝つことを意識していて、あとは感じたままに打った」と終盤の3Pの場面を振り返り、「ずっとバスケットボールをしてきて、これまでにもそういう機会があった。シーズン序盤にも似たような瞬間があったが決めきれなかった。でも、あのような瞬間を繰り返し練習することで、自信を持てるようになる」と勝負強さの秘訣を語った。この日は29得点、アシスト11回などを記録したが、「リズムが良かったし試合のペースも理解しながらどこにアドバンテージがあるかを意識してプレーした。クオリティーの高いパスを回して仲間にシュートを打ってもらうことを前提に、打てなかったら自分が決めようと見ていた」とも。
「30分間くらい京都のやりたいバスケットだったが、難しい試合を誰一人諦めることなく勝利をつかんだ、美しい試合だった」と選手をたたえたパヴィチェヴィッチHC。この日クレモンズ選手は最終Q約6分を残した場面で4つ目のファウルを犯したが、ベンチに下げなかった。その理由については「競った場面で重要な選手を下げるとゲームは一気に流れが変わる。ベンチに下げて残り数分で戻すのは負けるのと同じ。ポジショニングを確認して簡単なファウルをしないよう伝えた。スマートな選手は遂行できるし、勝ちに導いてくれることを期待している」と話した。