スタジオジブリのアニメーション作品「海がきこえる」が3月15日から、渋谷のミニシアター「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」(渋谷区渋谷1、TEL 050-6875-5280)で限定上映される。
作家の故・氷室冴子さんの小説を映画化した同作は、1993(平成5)年にスタジオジブリの若手スタッフが製作を手がけ、日本テレビ開局40周年記念番組として放送された。
杜崎拓(声・飛田展男さん)、武藤里伽子(同・坂本洋子さん)、松野豊(同・関俊彦さん)の男女3人の青春を描いている。大学生になった杜崎が、吉祥寺駅で武藤に似た人物を見かけたことを機に、高知での高校時代を振り返りながら「ゆるやかに」自分たちの心と向き合う物語。モノローグとフラッシュバックを用いながら、「平熱感覚」をキーワードに製作された。
同館では昨年~今年にかけて、アカデミー賞にノミネートした青春映画「ゴーストワールド」(2001年)、渋谷を含め東京を舞台にしたロマンス「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年)、特集上映「小津安二郎:モダン・ストーリーズ selected by ル・シネマ」など、旧作にカテゴライズされる作品も上映してきた。その際に若年層が多く来館していると言い、「深く愛される作品は時を超える」と感じたことから、「海がきこえる」も同様に「深く愛される作品」であると考え上映を決めたという。同時に、同作は映画館での上映が少なかったこともあり、同館の浅倉奏さんも「スクリーンで観てみたかった」という思いもあったという。
今月21日までの上映開始時間は、16時20分、18時5分、19時50分。上映終了時期は未定。