国内ブランドを中心に2024年秋冬シーズンの新作が披露されるファッションイベント「Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッション・ウィーク東京)2024 A/W」が3月11日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)と表参道ヒルズ(神宮前4)をメイン会場に、開幕した。主催は日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)。
今シーズンは、ランウェイショーなどを行うフィジカル参加35ブランドと、オンライン参加8ブランドを含む、全43ブランドが参加。フィジカルでは「ヒカリエホールA」を会場に、今季4シーズン目を迎える新鋭のワークユニホーム・デザイン集団「HIDESIGN (ハイドサイン)」が開幕を飾った。
労働者を表す既存のホワイトカラーやブルーカラーとは異なる「グレーカラー」を過去3シーズンで打ち出し、多様な環境で働く労働者向けにユニホームを提案してきたことについて、ファッションディレクターを務める山口壮大さんは、「製品のブラッシュアップを続けてきて、今回が『グレーカラー』というテーマの最後」と説明。「せっかくなので強いショーをやりたいと運営サイドにも伝えていたところ、トップバッターに抜擢していただいた」と経緯を語った。
力強いBGMや鮮烈なラインティングも印象的だったショーではまず、今後積極的に展開していくというカスタムオーダーのベースとなるようなアイテムを着用した30体を、モデルがスタンディングで見せる形で披露。次に、そのモデルたちの間を縫うようにモデルが闊歩(かっぽ)し、ワークユニホームから着想を得たルック30体を見せた。
山口さんは「表から見える部分よりも先に、裏から作り込みをしている。ポケットなどは全て二重で底を作ったり、中に入れる収容物に対してフィットする規格を厳密に詰めたりしている」とこだわりを話し、チーフデザイナーの吉井秀雄さんも「機能性を構築的にしっかりつくり上げてきた。ランウェイでは見られない服やポケットの内側、素材や機能性を特に作り込んだのが今シーズン。その世界観を表した」と、集大成となったショーを振り返った。
開幕前日となった10日には、JFWOが東京から世界で活躍するファッションデザイナーの輩出・促進を図る「FASHION PRIZE OF TOKYO」の本年度受賞ブランドに選ばれた「MASU (エムエーエスユー) 」が、パリで発表した最新コレクションの凱旋(がいせん)イベントを開いたほか、13日には2024年度「NEXT BRAND AWARD」受賞ブランドとして「KANAKO SAKAI(カナコ サカイ)」 がショーを開催。
ファッション&デザインイベント「TOKYO CREATIVE SARON(東京クリエイティブサロン)」や「渋谷ファッションウイーク」などと連携し、関連イベントも開かれる。今月16日まで。