Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が3月3日、島根スサノオマジック(同、島根)と対戦し90-80で勝利した。
立ち上がりからテーブス海選手が積極性を見せたこの日。強みと自負するドライブ(ドリブルでゴール下にアタックするプレー)や、好守から速攻を仕かけるプレー、スクリーンを使った攻撃に対する守備のずれを突いた3ポイント(P)シュートとチームを引っ張る。
24-15で迎えた第2クオーター(Q)は点を取り合う展開となった。テーブス選手は失点をしてもリスタートを早くし、自らドライブを仕かけてファウルを誘発するプレーを見せたが、「どちらかと言うと『やるな』とは言われているプレー。(狙う)ポイントが明確になっているセットプレーが強みだが、そこで点を取れないとゲームが重くなる。(守備の)1線目突破してずれを作れるところが僕の強みだと思うので、チャンスがあれば狙っていこうと頑張った」と意図を明かした。
第1Qから激しいマッチアップを見せていた小酒部泰輝選手と元チームメートでもある島根の安藤誓哉選手は、交互に点を取り「大したことは話していない」(安藤選手)と言うが、フリースローでプレーが止まった際には言葉を交わし笑顔を見せる姿も見られた。エースキラーと称される小酒部選手とのマッチアップについて安藤選手は「彼のディフェンスは本当にリスペクトしているが、僕の得点を取るバリエーションも見せることができた。お互いが成長していると感じた」と振り返った。
49-40で迎えた後半。立ち上がりには、吉井裕鷹選手がオフェンスファウルを誘発したほか、島根の攻撃を制限時間いっぱい守るなど好守を見せが、第3Q中盤で1点差まで詰め寄られる。しかし、レオナルド・メインデル選手の連続3P、アルトゥーラス・グダイティス選手がボールを奪う好守からの得点やシュートブロック、ルーズボールを追いかけるなどアグレッシブなプレーを見せ、66-55とリードを広げて最終Qに突入した。
最終Q立ち上がりには、好守からの速攻、オープンの3Pと連続で得点を挙げたテーブス選手が、「あまりキャラではないが、安藤選手とのマッチアップも楽しみにしていたので熱くなった(笑)」と、吠える姿を見せた。吉井選手が自らのリバウンドで作ったチャンスからの攻撃、セバスチャン・サイズ選手のミドルレンジなどで得点を重ね勝利した。
共にチャンピオンシップに進出する可能性があるなか、前日は8点差で敗れていたがこの日は10点差で勝利し、「得失点差でも上回ることができたことも含めて今日の勝利は大きかった」と振り返ったデイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)。「安定感のあるディフェンスを遂行でき、昨日の反省点である(島根の)オフェンスリバウンドからの得点を抑えることができたのが勝ちに繋がった」と勝因を挙げた。
「良いリアクションだった」と自身のプレーや勝利を喜んだテーブス選手は、初戦敗れ2戦目を勝利した前節の三遠ネオフェニックス戦に触れ、「ステップアップするためには、1試合目からやらないといけないことを遂行することが大事。連勝したかったし、正直、昨日から全部やり直したい気持ちが大きい」と振り返った。
島根の中心選手であるペリン・ビュフォード選手とマッチアップする場面もあった吉井選手は「マッチアップできて楽しかった」と振り返り、守備の約束事としては「ファウルしないこととドライブからダンクされないこと」だったと明かした。攻撃ではフィジカルを生かしたゴール下の得点を挙げたが、オープンの3Pを決めきれなかった。得点能力が高い仲間が多いなか「口には出さないが(シュートを打つ)優先順位があって、(ボールが回ってくる)最終地点として(ディフェンスが)離されてシュートを打つ場面が来ることが多いので空いたシュートをしっかり打って決めきりたい」と課題を挙げた。
今季のレギュラーシーズンも残り3分の1となった。チャンピオンシップの試合をホームで戦えるかどうかも関わってくるなか、東地区の首位争いをしているA東京。アドマイティスHCは「東地区1位になることは目標の一つだが、ここからの戦いはいかにチームが一致団結するかが大事。島根はとても良いチームだし、才能のある選手がそろっているので1勝1敗で終われたのは良かった。自信や集中力、規律あるプレーを全て取り戻すことができたので、次の茨城(ロボッツ)戦はとても重要。アルバルクらしいプレーを毎試合積み重ねていきたい」と話した。吉井選手は「順位にも直結してくるので、一つも落とせない試合が続く。チーム全体で乗り越えていきたい」とも。