英アーティストのマーク・レッキーさんによる個展「Fiorucci Made Me Hardcore feat. Big Red SoundSystem」が現在、「ルイ・ヴィトン」表参道ビル(渋谷区神宮前5)7階のエキシビションスペースで開かれている。
レッキーさんは1964年、サッカーのフーリガンやデザイナーズファッションが混在するリバプール対岸の街で、労働者階級の家庭に生まれた。若者によるサブカルチャーが栄えるエリアで育ち、1990年にはニューカッスル・ポリテクニック(現ノーサンブリア大学)を卒業し文学士号を取得、1997年にロンドンに移住した。
作品は、ポップカルチャーとカウンターカルチャーを交え、階級研究やイギリス史などの要素もかけ合わせ、彫刻や映像、音、パフォーマンス、コラージュなどで表現。1990年代後半からは、大衆文化とテクノロジーの関係性を問う作品群を発表し、2008年にはイギリスの現代アーティストを表象する「ターナー賞」を受賞している。作品はニューヨーク近代美術館、ロサンゼルス近代美術館、テート・ギャラリー(ロンドン)、ポンピドゥー・センター(パリ)に収蔵。パリのルイ・ヴィトン財団美術館にも収められている。
同展は、東京をはじめ、ミュンヘン、ベネチア、北京、ソウル、大阪の「エスパス ルイ・ヴィトン」で開催する「Hors-les-mur(壁を越えて)」プログラムの一環で開催。代表作2点を展示する。
大衆文化と、その「DIY的な」アプローチに着目し、レイブ音楽を芸術表現と捉えるレッキーさんは、巨大なスピーカーを用いた作品を発表しており、会場では「Fiorucci Made Me Hardcore with SoundSystem(10周年記念リマスター版)」と題し、初期作品2点を合わせた作品を公開している。
漫画のキャラクター「フィリックス・ザ・キャット」をモチーフにした作品「Felix the Cat」(2013年)は、巨大なバルーン状の作品で、会場の天井付近にフィリックス・ザ・キャットが横たわる。
開催時間は12時~20時。休館日は「ルイ・ヴィトン 表参道店」に準じる。入場無料。8月18日まで。