「渋谷ファッションウイーク(以下SFW)2024 春」が3月15日から、渋谷駅周辺で開催される。
2014(平成26)年3月に初開催して以降、春と秋の年に2回開催し今回21回目を迎える同イベント。渋谷駅周辺の大型商業施設が参加し、「渋谷ならではの」カルチャーを発信してきた。今回も、都内複数エリアのファッション、アート、音楽などのイベントが一堂に集結するクリエーティブイベント「東京クリエイティブサロン」に参画し開催する。
参加する大型商業施設は、cocoti SHIBUYA、SHIBUYA109渋谷店、渋谷キャスト、渋谷スクランブルスクエア、渋谷ヒカリエ、渋谷ヒカリエShinQs、渋谷マークシティ、西武渋谷店、東急プラザ渋谷、Bunkamura、MAGNET by SHIBUYA109、RAYARD MIYASHITA PARK。
今回は「THINK(考える)」をテーマに掲げ、ファッション業界の大量生産・破棄が問題視されるなか「サステナブルとは何か」を問いかける。渋谷駅東口地下広場では今月16日~24日、パリ・オートクチュールウィークに参加している日本ブランド「YUIMA NAKAZATO」による展示を行う。バイオベンチャー企業が開発した植物由来の原料を基に微生物発酵で生産される人工たんぱく質素材を使ったクチュール衣装を展示。会期中には同ブランドのデザイナー中里唯馬さんのドキュメンタリー映画「燃えるドレスを紡いで」とコラボレーションしたトークショーも予定する。
大規模な改修工事に伴い一部を除き休館中のBunkamuraでは今月16日~24日(13時~20時、最終日は18時まで)にアート企画を展開する。地下1階の吹き抜けには、昨年11月に忠犬ハチ公像に1日限定の「部屋」を作ったことでも知られる現代アーティスト西野達さんの大型インスタレーションを展示。館内のスタジオでは、サウンドアーティストevalaさんの新作インスタレーションを展開する。
同期間、Bunkamuraの旧「Book Shop」がポップアップストア「9 days Book Store & Art Market」として出店。ファッションデザイナーや建築家、写真家、アーティストなどのクリエーター、アート系ブックストアなどがアートブックや写真集、マルチプル作品などを出品。売り上げの一部は年能登半島地震の被災地に寄付する。
渋谷スクランブルスクエア(12階)では今月23日、音楽ライブやダンスパフォーマンス、トークライブなどを展開。東京クリエイティブサロンの渋谷エリアと有楽町エリアが連携した「越境企画」として、クリエーティブクルー「Tokyo Young Vision」のDALUさんも出演する。同企画の一環として、23日・24日には阪急メンズ東京内の「GINZA SNEAKER HILLS」のコンテンツも展開(7階)する。
RAYARD MIYASHITA PARK South2階の吹き抜け広場では今月16日~20日、「ファッション物産展」を開催。国内各地から10店舗が参加(出店時期は店舗により異なる)し、オリジナルアイテムなどを販売する。
昨年1月に再開発のため閉店し、現在解体工事が進む旧東急百貨店本店(道玄坂2)東側の壁面では、東京クリエイティブサロンの関連企画としてプロジェクションマッピングを行う。公園通りの「シビック・クリエイティブ・ベース東京」との共催で、同施設で開催された「未来提案型キャンプ」で企画されたジェネラティブ・アートを数点上映する。実施期間は今月11日~24日(18時~21時)。
開催に先駆けて今月4日には、金王八幡宮(渋谷3)で成功祈願を実施した。実行委員長である渋谷道玄坂商店街振興組合の大西賢治理事長は、「サステナブルは世界的なテーマの一つではあるが、ファッションで言うとただ着る・見るだけのものではなく、そこから素材の話などにもつながっていく。深掘りして具体的に皆さんに訴えられるのが今回のラインアップ。我々も10年やってきて、進化・深化が見えると思う」と話す。
コロナ禍を経てリアルでの企画も増えてきたが、「リアルということは分かりやすく、目にも耳にも訴えられる。工事中であったりインバウンドの方が多く来街していたり、回遊性にもつながると思うので、渋谷を見ていただきたい。街の活性化もSFWの目的なので、ファッションを通して渋谷の元気さを見てもらえたら」と参加を呼びかける。
開催期間は今月15日~24日。