食べる

渋谷のパン店「パン・オ・スリール」が移転 夫婦で営業、今年で10年

「パン・オ・スリール」店主の須藤宏幸さんと妻の美智子さん

「パン・オ・スリール」店主の須藤宏幸さんと妻の美智子さん

  • 26

  •  

 渋谷・宮益坂近くで夫婦が10年にわたり営業を続けてきたパン店「Pain au sourire(パン・オ・スリール)」が、ビルの取り壊しによる一時閉店を経て「徒歩30秒」の場所に移転して3月1日で約3カ月がたつ。

さまざまなパンが並ぶ店内

[広告]

 店主の須藤宏幸さんは、以前仕事で携わっていたパン店をきっかけにパン作りを始め、表参道にあったチェコ料理店からの依頼で、店の一部を間借りしてパンを売ることに。以来、ファーマーズマーケットなどにも出店し、2012(平成平成24)年には南青山に自身の店をオープン。2014(平成26)年3月、渋谷に移転し、イートインスペースも併設する店を開いた。

 妻の美智子さんと共に店を切り盛りし、常連客らにも親しまれ営業を続けてきたが、入居するビルの取り壊し・建て替えに伴い昨年2023年7月でいったん店を閉めた。昨年12月1日にプレオープンした移転先は歩いてすぐの場所で、以前25坪あった店は15坪へと規模は縮小したものの、扱うパンの数は変わらず、新たにテラス席(7~8席)もしつらえ、店内にも5~6席を用意した。

 変わったのは週3日という営業スタイル。金曜・土曜はパン店としてオープンし、木曜はサンドイッチを売る。ハード系や菓子パン、食パンなど40種類以上をそろえるパンは、世界遺産にも登録される東北・白神山地の腐葉土から見つかった天然酵母「白神こだま酵母」をはじめ、さまざまな自家製酵母を、パンの特性に合わせて使い分け、全て宏幸さん一人で焼き上げる。小麦は北海道産のものを使う。

 「カンパーニュやバケットなどのハード系や食パンなどは必ず手に取ってくださるお客さまも多い。旬のフルーツを使うものなど、季節によって変える新製品も人気」と、売り場を担当する美智子さん。ヨーグルトと蜂蜜を練り込んだ柔らかい生地のハニーブレッドや、クリームチーズと混ぜた白あんを入れる白あんパン(以上300円)、アールグレーをクッキー生地に練り込んで作るメロンパン(320円)など「いろいろなパンに少しずつ工夫がある」と笑顔を見せる。

 ハード系は、水分が多くしっとりとした「パン・ド・ドデヴ」(1ピース500円)や、ラム酒に漬け込んだオレンジピールやクランベリーなどを練り込んだ「パンドゥロデヴ・フリュイ」(同520円)などが「おすすめ」。サンドイッチは、バケットを使ったものや、コロッケパン(400円)、週替わりのランチメニューなどもそろえる。

 週3日に営業日を絞り、「無理をしすぎず、きちんとしたものを出していきたい」と美智子さん。「これまでの10年間は百貨店やレストランにパンを卸したり、ケータリングしたりしていたが、今はあまり手を広げず、慣れてきたところでまた考えていきたい。地方の方にも届けたいので通販は再スタートしたい」とも。

 宏幸さんは「お客さまの8割以上は周辺の住民や働いている方。これからも地域の皆さまに愛される店を目指したい」と話し、「おいしいと思ってもらえるパンを作り続けたい。それしかない」と、自身が作るパンについての思いを語る。

 営業時間は8時30分~18時(売り切れ次第終了)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース