京王井の頭線・渋谷駅と直結する道玄坂中腹エリアの大規模再開発「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」(渋谷区道玄坂2)の地下解体工事と新築工事が1月16日、着工した。
道玄坂を上り左側に広がる「コ」の字型の敷地で、サッカーコート1面に相当する広さ約0.8ヘクタールの土地を刷新する同再開発。2012(平成24)年に地元利権者らがまちづくり勉強会を立ち上げ、2017(平成29)年には再開発準備組合を、2022年には再開発組合をそれぞれ設立するなど、年月をかけて検討を進めてきた。再開発組合には、渋谷駅周辺の大規模再開発に初めて参画する三菱地所が名を連ねている。昨年2月~12月に既存建物地上解体工事を行った。
市街地再開発事業の施行により都市機能を更新し、京王井の頭線・渋谷駅と直結する大規模複合施設のほか、道玄坂1丁目と2丁目をつなぐ南北のネットワークを形成。結節点に約 850 平方メートルの広場や約 50メートルにわたる緑道を設ける。
ビルは、広さ約6720平方メートルの敷地に2棟を建設。オフィス棟は地上 30 階・地下 3 階(塔屋 2階)、高さ約155メートル、ホテル棟は地上11階・地下2 階(塔屋1階)、高さ約60メートルとなる。延べ床面積は約 8万7100平方メートル。デザイン総合監修は、北川原温建築都市研究所(千駄ヶ谷2)が手がける。
オフィス棟は1階~3階に店舗、3階~30階にオフィスが入る予定。各フロア 1500 平方メートル以上の貸付面積となるオフィスビルを計画。防災機能の強化として、帰宅困難者のための一時滞在施設も整備を予定する。
ホテル棟には、 テイクアンドギヴ・ニーズ(品川区)が手掛けるブティックホテル「TRUNK(HOTEL)」が入居予定。客室(28平方メートル~120平方メートル)は120~130室。「『東京カオス』をラグジュアリーに表現する」といい、ルーフトップにはプールやバー、シアタールームなどを設けるほか、ジム、レストラン4~5店舗、地下にはスパを併設する予定。想定客室単価は5万円~30万円。2027年夏に開業予定。
再開発全体は2027年2月末に完工予定。