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渋谷区と東急不動産、「防災」包括連携協定締結 ドローン活用へ

協定を締結した(左から)東急不動産星野浩明社長と長谷部健渋谷区長

協定を締結した(左から)東急不動産星野浩明社長と長谷部健渋谷区長

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 渋谷区と東急不動産が12月5日、地域防災に関する包括連携協定を締結した。

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 発災時の駅周辺の帰宅困難者の発生や木造建築密集エリアの被害など、防災面で課題を抱えている渋谷区は現在、地域防災計画の見直しを進めている。その一つとして、発災時には的確な避難誘導や正確な避難情報が必要になることから、ドローンの導入検討を進めていたという。

 東急不動産は、谷地形である渋谷エリアでゲリラ豪雨などによる冠水被害が想定されることなどから、「防災を取り入れたまちづくりをすることに意義がある」と考え、防災にも注力し事業を展開している。そのなかで、今月17日に設立70周年を迎えるに当たり、地域貢献プロジェクトとして「創立70周年記念プロジェクト」に昨年から取り組んでいる。同社の「おひざ元」である渋谷区で取り組むに当たり、区の職員と対話を重ね、今回の協定締結に至った。

 協働事項は、区の地域防災計画の履行とその実効性向上に関すること、同計画や防災施策の啓発、区民の防災意識向上に関すること、両者が区内での防災の取り組みや活動に関すること、人材育成や交流に関すること。

 具体的には、相互に災害用ドローンを導入して官民合同プロジェクトで手を組む。ドローンの操縦士は、渋谷区は防災課の職員、東急不動産は総務や「渋谷サクラステージ」(桜丘町)の運営に携わる部署の社員それぞれ5~6人を想定し、操縦士候補生は交流を図りながら技術を取得。その後、両者の施設で合同飛行訓練を行い、技能活用に向けた準備を進めていく。

 発災時には、区は被害情報の収集や帰宅困難者への呼びかけ、同社は運営する施設の敷地内の情報収集や来場者への呼びかけへの活用を想定している。購入するドローンの機種や台数、発災時の情報共有などは検討中だ。

 区は1月に、ドローンスクールの運営などを行っているハミングバード(道玄坂1)とドローンを活用した支援協力に関する協定を締結している。同協定ではハミングバードに発災時の情報収集を依頼する内容も盛り込んでいるが、「情報収集が第一」と考えていることから、より多くの情報収集を図る。

 長谷部健渋谷区長は「東急不動産の協力により、防災訓練の取り組みや活用の支援をいただく環境が整ったことは、これまでの課題に対して大きな進展がある。災害に強いまちづくりを目指す本区にとって心強いパートナー」と感謝の言葉を口にし、東急不動産の星野浩明社長は「渋谷で生まれた地元企業として、災害に強い渋谷のまちづくりの実現に向けてプロジェクトの枠にとどまらず、渋谷のより明るい未来を想像できるよう、地域防災に資する取り組みを渋谷区と深めていきたい」と意欲を見せた。

 官民合同プロジェクトは来年4月以降、合同訓練などは同年9月以降の始動を予定する。

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