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渋谷に「コメ兵」大型店 Y・Z世代に向けバッグやアパレル中心に

4フロアで展開する「KOMEHYO SHIBUYA」外観

4フロアで展開する「KOMEHYO SHIBUYA」外観

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 リユースショップ「KOMEHYO SHIBUYA」(渋谷区宇田川町)が11月17日、渋谷・井の頭通り沿いにオープンする。経営はコメ兵(愛知県名古屋市)。

床や壁にもアートをあしらう1階

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 東日本エリアにおける中古品の買い取り・販売体制強化を目的にする同店。渋谷を新宿や銀座と並び「重要なエリア」と位置付けるなか、1996(平成8)年から買い取り店を渋谷に構えているが、販売店舗は2014(平成26)年5月に公園通りに出店。立地や消費者の「リユースに対するハードルの高さ」を感じたことから2017(平成29)年3月に撤退していた。

 昨今はフリマアプリの普及や物価高などを背景にリユース市場が拡大していると言い、同社の売上高も2021年度は500億円、2022年度は590億円と成長しており、店舗数も2021年度は81店舗、2022年度は114店舗と拡大している。

 多くの人が来街することや「文化を発信している」渋谷で「再挑戦」となる同店。渋谷を、かねて古着店も多いストリートやファッションの「聖地」と位置付け、「中古品を価値のある物と捉える文化が根付いている」という考えから、リユースに触れる機会の創出や、同社が掲げる物を伝承し使うという意味を込めた「リレーユース」の発信を図る。

 売り場は1階~4階で総面積は約733平方メートル。関東では新宿店に次ぐ広さになるという。既存の店舗とは異なり、渋谷の街やカルチャーに「マッチする」店舗づくりを心がけたという。その一つがアートで、バンド「King Gnu」のMVなどを手がける映像作家のOSRINさんが総合プロデュース。各フロアには「墨流し」から着想を得た「色流し」のアートをあしらうほか、1階は「カオス」をテーマに人間や恐竜などさまざまな生き物などのモチーフを床や壁面などにも描き、2階トイレ内にはタトゥーアーティストによるグラフィックをあしらうなどしている。

 中心顧客は40~50代だと言うが、コアターゲットを20~30代のY・Z世代に据えることで新規顧客層の獲得を図る。商品はバッグやアパレルを中心に、アクセサリーや時計、雑貨類など約6500点を扱う。価格帯は数千円程度のアパレルアイテムから9,800万円のカルティエの時計「クラッシュ」まで幅広く、ボリュームゾーンは20~50万円程度。各フロアは時間軸でテーマを設け、ブランドミックスで商品を展開することで「出合い」や「発見」につながるようにした。

 1階「IMA」は、現在トレンドのミニバッグや、ロエベやセリーヌなどハイブランドの中でも「若者に人気の高い」ブランド、スケートボードやサーフボードなど「渋谷らしさ」を感じさせる商品をそろえる。キュレーションによる提案を図るため、同フロアには毎月テーマを替えるポップアップスペースを用意。オープン時はスタイリスト白幡啓さんによる「Black is the new black」をテーマに、ルイ・ヴィトン「エピ」シリーズの黒の商品を中心に、それに合わせたアパレル類を展開している。

 グレーを基調にインダストリアルな雰囲気の2階「KAKO」では、シャネルのバッグ「マトラッセ」シリーズ、イヴ・サンローランのアパレル、シルバーアクセサリー、時計など1990年~2000年前後のアイテムを多く扱う。ウッディーで明るい雰囲気の3階「MIRAI」は、ボッテガ・ヴェネタのバッグ、バーバリーのコートなど、各ブランドの「定番」商品や、ルイ・ヴィトンが1996年にモノグラム・キャンバス100周年を記念してデザイナー7人とコラボレーションした「セブンイヤーズ・コレクション」などの「名作」など、「未来につなげていきたい」商品をラインアップ。

 4階のテーマは「RELAY」。植栽やソファなどを置いた公園のような空間で、気軽に利用できるよう個室ではなくバーカウンター式の買い取りスペースを設けているほか、取り寄せ利用客用のフィッティングルーム4室を用意。フィッティングルームは畳を敷き盆栽を使ったアートを置く和風の空間なども作った。取り寄せた商品に合わせたコーディネートの提案などもしていく予定。

 初年度売り上げ目標は25億円。インバウンドの売り上げは同社全体では12%程度と言うが、同店では「半分近く、時には半分以上になる時もあるのでは」と想定する。

 営業時間は11時~20時。

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