共に渋谷区をホームタウンにするBリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)とサンロッカーズ渋谷(同、SR渋谷)が11月4日、ダービー2戦目を迎えた。
試合序盤はSR渋谷のアンソニー・クレモンズ選手が積極的にアタックし自らのシュートや仲間のシュートチャンスを作り一歩前に出るが、A東京は小酒部泰暉選手のミスを誘う守備、テーブス海選手とライアン・ロシター選手の連携プレーなどで逆転すると24-18とリードを奪う。第2クオーター(Q)は、選手を欠いているSR渋谷に対し「ヘッドコーチ(HC)がインサイドを中心に攻めるプレーを意図的にデザインした」と、セバスチャン・サイズ選手が連続で得点を挙げるなど点差を広げる。
51-39で迎えた後半。SR渋谷はベンドラメ礼生選手、田中大貴選手の3ポイント(P)シュートなどで一時7点差まで詰め寄る。A東京はタイムアウトで流れを切ると、リバウンドや好守から走り、74-58と再び点差を2桁に広げる。それでもベンドラメ選手は「チームを作っていかないといけない。そういう意味ではコートで存在感を出し続けるのは一つ大事なこと」と声を出して仲間を鼓舞し続けた。最終Qは、安藤周人選手やレオナルド・メインデル選手に加え、試合前に子どものファンからからエールを送られたサイズ選手も3Pを沈めたが「その子へのプレゼントになって良かった」と笑顔を見せた。最終結果は97-72でA東京が勝利した。
5選手が入れ替わったなかでも、現段階でチーム力の高さをうかがわせるA東京。デイニアス・アドマイティスHC自身昨季はBリーグ初年度で「かなり頭がいっぱいいっぱいだった」なか、2季目を迎えた「慣れ」に加え、ロシター選手やバランスキー選手、サイズ選手などの名前を挙げ「つなぎ役になってチームを一つにしてくれている」ことを要因に挙げた。サイズ選手は「HCのやりたいシステムの深さを新しい選手にいかに伝えるかが鍵になっている。今とても良いかたちでできているので、これからも継続してもっとレベルを上げていきたい」と話した。
選手を欠く中、短長はあるが今節は全選手を起用したSR渋谷ルカ・パヴィチェヴィッチHC。「私たちが良いプレーをすると、A東京も良いプレーをしてくるなか、主力選手を使い続けて例え勝っても彼らが疲れるだけでプラスにはならないと思った。いろいろな選手を出して彼らができるプレーをやらせてあげることで、(ライアン・)ケリー選手が戻ってきた時に何かもっと大きなものをもたらせられるのでは」と判断したと言う。
「簡単なミス」などで「流れを与えた」点を反省点に挙げたベンドラメ選手。新しいチームを作り上げている段階だが「それを言い訳にできるタイミングでもない」と甘えは無い。攻撃面ではフリースロー8本、ドライブ(ドリブルでのリングアタック)、3Pと18点を挙げたが、「相手のディフェンスなどを見て柔軟に攻め方を変化させないといけないと思っていたので、昨日よりオフボールスクリーンを増やしたことでギャップが多く生まれたのは良かった」と手応えもうかがわせた。アウェーの中でも場内にはSR渋谷ファンの声援が響いた。「応援するモチベーションあると思うし、期待に応えるのがプロの仕事だが、今は応えられていないのは大きい。ファンの皆も苦しいのも分かっている。声援に報いたい」と力を込めた。
ダービー戦であると同時に、互いに元チームメートがいた今節。サイズ選手は「SR渋谷にけが人がいてフルメンバーで戦えなかったことが残念。いろいろな意味でただの2試合ではなかった」と触れた。