新型コロナウィルスが5類に移行し来街者が増えていることなどを受け、長谷部健渋谷区長が「街に来ないで」と異例のアピールを行った渋谷のハロウィーンが10月31日、厳重警戒の下で本番当日を迎えた。
渋谷駅周辺のハロウィーンはコロナ禍前、仮装した人や見物人らが集まり盛り上がりを見せる一方、路上飲酒やごみの放置などの迷惑行為なども社会問題になっていた。コロナ禍で外国人観光客の来街も激減していたが、インバウンドが回復した今年、渋谷区は「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」というメッセージを強く打ち出し、警戒を強めてきた。
ハロウィーン当日、直近の週末である28日より仮装姿の人が目立ったが、コロナ禍前に比べれば大幅に少ない印象だった。路上で写真を撮り合う姿や、そうした様子を見に来た外国人観光客の姿もあったが、大きな混乱は見られなかった。
今年は、人が滞留しやすいハチ公前広場における対策も徹底した。区は初の試みとして、ハチ公像の周りを28日早朝から1日早朝まで封鎖。31日夜は、JRハチ公改札を出て交差点に向かうレーンと交差点から駅へ向かうレーンを完全に分離して一方通行とし、立ち止まらないよう常時呼びかけた。さらに、JRハチ公口を東西に通り抜けできないようにして人の流入を防いだ。
スクランブル交差点ではこれまで通り、斜め横断を禁止し、多くの警察官が黄色いテープを使って立ち止まらないよう呼びかけながら歩行者を誘導。さらに、渋谷センター街バスケットボールストリートの入り口付近の中央に仕切りを設け、歩行者を右側通行で誘導した。バスケットボールストリートでは混雑時、警察官が黄色いテープを使って右側通行の徹底を図ったほか、人が滞留しやすいマクドナルド前交差点の中央にも警備ポイントを設け、立ち止まらないよう呼びかけた。
駅周辺では、路上や公園、広場などで路上飲酒を禁止する条例も施行。コンビニエンスストアを中心にドン・キホーテなどの小売店も含む16社が、区からの酒類の販売自粛に応じた。