Bリーグ・サンロッカーズ渋谷U18が、トップチームのホームアリーナ青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で「B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE」の試合を行った。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18戦で後半積極的に得点を狙った小川魁斗選手
BリーグU18の上位8クラブが総当たりで対戦し、上位クラブが海外のクラブと戦う「インターナショナルカップ」につながる同大会。各クラブが2試合トップチームのホームアリーナで試合をするのも特徴。
初戦となった10月22日は名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18と対戦。別の大会に出場していて中2日での試合ということもありスタートのメンバーの調子が上がらず、「リセットしたい」(森茂達雄ヘッドコーチ(HC))と開始4分弱で全選手を交代。佐藤晴野選手が3ポイント(P)シュートやリバウンド、アシストなどでリズムを作る。17-22で迎えた第2クオーター(Q)はミスからの失点が増え36-45と点差を広げられる。
後半立ち上がりは、強みとする長身の選手が抑えられるなか「自分が空いてくる、そうなったら自分が行こうと試合前から決めていた」小川魁斗選手が積極的にリングにアタック。56-63で迎えた最終Qは大森康瑛選手がアタックやゴールで得点を重ね詰め寄るが、リバウンドやルーズボールで粘られ70-85で敗れた。
敗戦を受け「(次の)宇都宮戦は勝たなきゃいけない。チームが変わるには絶対にやらないといけない」(松下選手)と、同試合後最初の練習を無しにして2時間超選手同士で話し合いをしたという。そのなかで「試合のトーンセットという意味でも、スタートの5人が締まってやらないといけない皆がと言ってくれた。それを期待ととらえてやってやろうという気持ちがあった」(同)と臨んだ今月29日の宇都宮ブレックスU18戦。
立ち上がりでミスを誘う好守を見せると、攻撃面ではこの日はエースの大森選手が受験のため欠場のなか「自分が引っ張っていかなきゃいけない」と195センチの井伊拓海選手を中心に得点を重ねる。19-19で迎えた第2Qは得点が停滞するも、甲斐達弘選手がミスを誘い吠えるなど気迫のこもった守備で我慢を続ける。パーキンソン赤城飛音(ぜいん)選手のアタックからの得点で40-35とリードして前半を終えた。
後半立ち上がりは、「コントロールして周りを生かす」役割を担った松下選手が速攻やルーズボールから得点をアシスト。小川選手の3Pなどで一時リードを広げるが、55-54と競った展開で最終Qに突入。安食今生(いま)選手は「ファウルも鳴りやすかったと思う」と強みとするアタックを積極的に仕掛ける。一進一退の攻防が続くなか、残り約7秒で「得点を取ってやるという意識を持っていた」と言う井伊選手がリバウンドからシュートを決め勝利を引き寄せた。井伊選手は最終Q序盤に足がつっていたが、トップチームのトレーナのケアで終盤にコートに立つことができたという。最終結果は73-69。
「ホームで勝てたことが選手にとってプラスになれば」と勝利を喜んだ森茂コーチ。チームは大森選手が「絶対的なエース」だが、6月に入団した小川選手ら新加入選手も含めて「少しずつチームが変わってきている」と言う。「ただ試合を制するほどまでには至っていない。誰が出てもゲームをコントロールできるようなチームにできれば」と話した。
残り6試合はアウェーや中立地での試合となる。森茂HCは「Bユースのレベルが高くなっている。点差を離して勝てる試合はないので、粘り強く今やっていることが浸透していくような練習していきたい」と話し、松下選手は「(ベンチに入れない選手含め)16人でしっかり勝ち切らないと絶対にインターナショナルカップには行けないと思うので、全員で気持ちを作って全力で頑張りたい」と続けた。