Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月29日、佐賀バルーナーズ(同、佐賀)と対戦した。
前日課題となったリバウンドに高い意識が見られたなか、立ち上がりは永吉佑也選手がオフェンスリバウンドから得点を重ねる。ビハインドを負うも、ライアン・ケリー選手がボールを奪いに行ったり、アンソニー・クレモンズ選手やジェフ・ギブス選手がシュートをブロックするなど好守も見せる。
14-19で迎えた第2クオーター(Q)。立ち上がりに連続で3ポイント(P)シュートを許すなど一時2桁点差を付けられるが、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は、「点差はついていたが、特別すごいことをしないといけないということではなく、歯磨きなど毎日やるような本当に細かいことを徹底すれば勝ちが見えていたので、今日はしっかりやろう」という思を込めて「Let’s go win(勝ちに行こう)」とベンチから声をかけた。その声に応えるかのように、インサイドへのアタックに粘り強くついて行ったりゴール下で体を張ったり守備で我慢。SR渋谷は今季ハーフコートで時間を使って組み立てる攻撃が中心となっているが、ベンドラメ礼生選手は「同じペースでやっているとなかなか乗り切れない時間帯が出てきてしまう。ディフェンスから走れるのは1番理想なので、積極的にできるのであれば狙っていきたい」と好守からの速攻に走り得点を重ねた。
32-38で迎えた後半。ベンドラメ選手はアタックや3Pを決めると同時に、守面では外国選手相手にプレッシャーをかけてファウルを誘発。ケリー選手もシュートをブロックするなど我慢を続けると、客席に飛び込みながらボールをつないだクレモンズ選手のレイアップで試合を振り出しに戻すことに成功。以降は一進一退の攻防が続き、50-50で最終Qに突入。一時逆転するも、守備でローテーションミスや「一歩足が出なかった」ことなどからファウルが続き、インサイドの失点も抑えきれず終盤にリードを許す。ダブルチームを仕かけてくる佐賀に対して「オープンを作って攻めていきたい」(ケリー選手)とパスを回し3Pを打つ状況は作れたが決めきれず、68-74で競り負けた。
最終Qは中心選手の一人であるケリー選手ではなく、ギブス選手を長くプレーさせたパヴィチェヴィッチHC。さまざまな組み合わせを考えたというが、佐賀にはインサイドが強い外国籍選手がいたこともあり「守備面で貢献が大きかった」ことに加え、攻撃では「トラップ(ダブルチーム)に来たところはパスをさばいて、自分たちのアドバンテージを生んでいた」ことなどから判断したという。
「40分間戦い抜く難しさを感じた試合。そこまで続けてきたことが最後の2分で崩れてしまった。チームで勝つための正解をまだ見つけられていない」と振り返ったベンドラメ選手。
ジョシュ・ホーキンソン選手を欠くなか守備面ではダブルチームを仕かけないといけない場面もあり、「ズレ、ミスマッチを最後の最後でうまく守れなかった印象がある。終盤までできていたのですごく悔しい終わり方」と悔やみ、「ジョシュがいたらプラスになっていたこともあるかもしれないが、40分間やり切れないで負けたのは今いるメンバーに問題がある。ここで勝ち切る力をつけることはポジティブに捉えないといけないし、ステップアップするチャンス。前を向いてやり続けていかないといけない」と力を込めた。
次節は11月3日・4日、アルバルク東京とのダービー戦となる。