ハロウィーンを目前に控えた週末を迎えた10月28日夜、渋谷駅周辺はスクランブル交差点で交通規制が行われるなどしたが大きな混乱は見られず、仮装やコスプレ姿の来街者も少ない。

ハチ公前広場（写真）でも混雑は見られていない

　2010年代以降、仮装した人や見物人らが集まり盛り上がりを見せる一方で、路上飲酒やごみの放置などの迷惑行為なども社会問題になっていた、ここ数年の渋谷駅周辺のハロウィーン。外国人観光客らの来街も激減したコロナ禍は落ち着きを見せていたが、インバウンドが回復した今年、渋谷区は「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」というメッセージを強く打ち出し警戒を強めてきた。

　ハロウィーン当日だけでなく直前の週末も人が押し寄せてきたこれまでの動きから、区は今年初の試みとして観光名所の一つにもなっている忠犬ハチ公像の周りをこの日早朝から封鎖。人が滞留しやすいJRハチ公口ではハチ公改札を通り抜け禁止にしているほか、利用客に西口から入り南改札を使うようアナウンス。スクランブル交差点は斜め横断禁止となり、拡声器では英語や中国語を交え、立ち止まらないよう呼びかけている。宮益坂下から渋谷駅前交差点方向は通行止めにし、渋谷センター街も右側通行にするなど、交通規制で人の滞留や混雑を防いでいる。

　人の混雑だけでなく飲酒による騒ぎも大きな問題となっていることから、駅周辺では31日までのハロウィーン期間中、路上や公園、広場などで路上飲酒を禁止する条例も施行。コンビニエンスストアを中心にドン・キホーテなどの小売店も含む16社が、区からの酒類の販売自粛に応じている。

　区は同様の対策をハロウィーン当日の31日にも講じ、混乱や犯罪行為などを防ぐ狙い。