XR技術を取り入れた新しいエアレース「AIR RACE X」のデジタルラウンドの決勝トーナメントが10月15日、渋谷を舞台に開催された。
当日は、渋谷スクランブルスクエア(渋谷区渋谷2)15階の「SHIBUYA QWS」と渋谷パルコ(宇田川町)、渋谷キャスト(渋谷1)でパブリックビューイングイベントを開催。来場者は、ヘッドマウントディスプレーやスマートフォンなどを使いAR・XRのアプリ「STYLY」を通して、飛行データをXR技術で映像化した映像で観戦した。
予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに進んだのは、ポイント順に室屋義秀選手(日本)、マット・ホール選手(オーストラリア)、マルティン・ソンカ選手(チェコ)、ファン・ベラルデ選手(スペイン)。決勝トーナメントに使う飛行データは予選期間中に記録されるが、結果は大会当日まで秘密にされるため、当日繰り広げられるXRが決勝戦となった。
準決勝ではソンカ選手がホール選手に、室屋選手がベラルデ選手に、それぞれ勝利。決勝では室屋選手とソンカ選手がペナルティーなしで飛び切ったが、61.857 秒の室屋選手が66.219 秒のソンカ選手を大差で下し、初代勝者の座に輝いた。
SHIBUYA QWS会場で自らのレースの行方を見守った室屋選手は勝利が決まった瞬間、スタッフと握手を交わし、会場は大きな拍手に包まれた。表彰式では、長谷部健渋谷区長がトロフィーを授与。長谷部区長は勝利をたたえながら、「想像もしなかったエアレースが渋谷で行われた。(ヘッドマウントディスプレーで)観戦すると、宮下公園の上やスクランブル交差点の上などを飛ぶ際、ちょっと心配になるほど没入感がすごかった」と振り返った。
守屋選手は「接戦だったので勝ててうれしい。新しいスポーツの観戦の仕方だと思った。まちのどこでも見てもらえるのはすごく面白いレース。『AIR RACE X』をさらに盛り上げて、また何万人もの観客の前でリアルエアレースも開催したい」と意気込みを見せた。