渋谷駅桜丘口地区再開発プロジェクト「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の竣工に伴い、開発エリア周辺の道路や歩行者動線など交通環境が整備・変更される。渋谷区は10月3日、発表した。
11月30日の竣工を予定する「渋谷サクラステージ」(渋谷区桜丘町)では、渋谷駅南西部に広がる約2.6ヘクタールのエリアに、地上39階、高さ約179メートルのA街区、地上30階、高さ約127メートルのB街区、地上4階、高さ約16メートルのC街区(2020年5月運用開始)の3棟を新たに整備。同時に同プロジェクトは渋谷駅中心地区の都市基盤整備を完成させるための役割も担い、国道246号線やJR線などで分断されてきた桜丘口地区を、渋谷駅の新たな玄関口として整備することで渋谷の街全体の魅力向上を目指す。
竣工に伴い、新たな公共動線が開放されることから、桜丘町など開発エリア周辺の自動車・歩行者動線や交通規制など、5つの点で交通環境の変更が加わる。
「公共動線の整備」では、A街区内に設置される縦軸動線「アーバン・コア」(地下2~地上3階)の供用が11月30日に始まり、渋谷駅西口歩道橋から続く歩行者デッキ(2階レベル)と接続。A街区とB・C街区の間を抜ける「補助第18号線」を横断する歩行者デッキ(2階レベル)も新たに整備することで丘陵地・桜丘と駅との高低差を解消し、駅と周辺地区、地下と地上を結ぶ歩行者ネットワークを新たに形成する。
「JR線横断通路の整備」では、JR線の頭上を東西方向に横断し、渋谷ストリーム(渋谷3)3階と渋谷サクラステージを結ぶ「北自由通路」の利用が暫定的に可能となる。同通路では現在、2026年度の竣工を目指し「渋谷駅南口橋上駅舎(仮称)」の建設工事が行われているため、通行は夜間の工事時間帯を除く時間のみとなるが、利用開始時期について関係者と調整しているという。併せて、渋谷サクラステージの南端と、ホテルメッツ側(JR新南口改札口)をつなぐ跨線橋「南通路」の供用が12月1日に始まる(通行時間は5時30分~24時30分)。JR線を横断する2本の歩行者通路の整備で、鉄道や幹線道路による地域分断を解消し街の回遊性を高める。
「補助線街路第18号線の整備(再開発地内)」では、国道246号線から代官山、恵比寿方面へ抜ける「都市計画道路(補助18号線)」のうち、渋谷サクラステージ沿いの範囲を相互通行・歩車道分離の幅員15メートル道路として先行整備し、12月1日早朝に供用を開始。補助18号線に面し、A・B街区の駐車場出入り口を整備するほか、B街区側にタクシー乗降用の停車帯を6台分設ける。
さらに、区道432・448号線の一方通行の規制を変更する。補助18号線の交通量の増加に伴い、さくら坂下交差点部の混雑が予想されることから、渋谷インフォスタワー沿いの「区道448号線」と、渋谷グランベルホテル沿いの「区道432号線(中央通り)」の一方通行規制を12月1日早朝から、進路逆向きに変更する。併せて、さくら坂付近の横断歩道は国道246号線沿いに移設(11月上旬頃予定)し、区道432号線と補助18号線の交差部に横断歩道(ハーフスクランブル交差点)、信号機を新たに設け、交通渋滞を円滑に処理するという。
ハチ公バス「夕やけこやけルート」の運行経路・バス停位置も変更する。区道432号線・448号線の一方通行規制が反対方向へ変更されるのに伴い、区道448号線を通るハチ公バス(恵比寿・代官山循環夕やけこやけルート)の運行経路が変更される。区道432号線から区道448号線の左折が禁止となるため、文化総合センター大和田のバス停位置を区道432号線沿いの渋谷インフォスタワー前に移設・統合する。変更は12月1日始発から。