渋谷の忠犬ハチ公像のモデル・ハチの生誕100年を記念して9月20日、記念事業のヘッドマークを掲出したJR山手線の限定運行が始まった。

JR渋谷駅の一日駅長に就任した井上順さん

　秋田犬のハチは1923（大正12）年に秋田・大館で生まれ、今年11月で生誕100年を迎える。渋谷区や秋田県大館市、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人秋田犬ツーリズムなどが実行委員会を立ち上げハチの生誕100年事業を展開している。

　ヘッドマーク掲出列車の運行は、同事業への「さらなる参画」や機運向上を目的に実施するもの。運行車両は山手線E235系1編成で、前後2カ所にヘッドマークを掲げる。

　初日の20日には、渋谷区生まれで区の名誉区民である俳優の井上順さんがJR渋谷駅の一日駅長に就任。JR東日本の小川治彦首都圏本部長から「生誕100年記念JR渋谷駅一日駅長に任命します」と任命書を渡され井上さんが一日駅長に任命されると、駅員や通りがかった市民らから拍手が起きた。

　オフホワイトのジャケットと帽子を身に着け「駅長」の装いとなった井上さんは、「皆さんおはようございます」とあいさつ。「渋谷生まれ渋谷育ちの私にとって、とても素晴らしい思い出ができて感謝している」と喜び、「子どもの頃、ハチ公の話を親から聞いた。その思い出はこの胸に今でも胸に宿っている」と、ハチの記憶を回顧。「渋谷駅には毎日大勢の方が行き来している。皆さんにとってすてきな思い出、すてきな出会いがあることをハチも願っていると思う。まさに出会うことが『鉢合わせ』と言うのでは」と続け、「今日は一日駅長として頑張ります。出発進行！」と喚呼。その後、JR渋谷駅池田克弘駅長と共に敬礼し渋谷駅から出発するヘッドマーク掲出車両を見送った。

　小川本部長は「渋谷の街は大変なにぎわいで、どんどん街として成長していっている。JR渋谷駅も工事でご迷惑をおかけしているところもあるが、これも成長の過程。ハチ公と一緒に成長を続けていきたい」とコメントした。

　ヘッドマーク掲載列車は2024年3月31日まで運行予定。