2024年春の開業を目指し神宮前交差点で開発が進む商業施設「東急プラザ原宿『ハラカド』」(渋谷区神宮前6)の中核となる3階フロアのコンセプトやテナント詳細が発表された。
神六再開発(神宮前6)と、権利者・特定事業参加者として参画する東急不動産(道玄坂1)が進める同開発は、築50年を超えていたビル「オリンピアアネックス」や、旧老舗洋菓子店「コロンバン原宿本店」跡などを含む敷地を一体的に整備。面積約3085平方メートルの敷地に、地下3階~地上9階・塔屋1階、延べ床面積約1万9940平方メートルの建物を建設。8月31日に完工した。
はす向かいで営業する同社の東急プラザ表参道原宿(神宮間4)が立つ場所はかねて、クリエーターらが集った旧「原宿セントラルアパート」があったこともあり、「クリエーターが集まる」商業施設を目指す同施設。その中核として、「クリエーターのプラットフォーム」を目指す3階フロアは、クリエーティブディレクターの大木秀晃さん(OOAA、神宮前3)と、プロデューサーの城本久嗣さん(ii、東1)がプロデュースする会員制(12月から登録開始予定)のクリエーティブラウンジ「BABY The Coffee Brew Club」を中心に、ラウンジやミニシアター、ポップアップスペース、ギャラリーなどを展開する。
同施設のロゴデザインなどを手がける千原徹也さん率いるデザイン事務所「れもんらいふ」(渋谷3)は、事務所に会員制サロンやギャラリー、ポップアップスペースを併設して入居。OOAAは、人が集まる場にもなる撮影スタジオ「スタジオコミューン」を開設。クリエーティブカンパニーの博報堂ケトル(港区)はショート動画の撮影・編集・配信ができるスタジオ機能を備えた「ソーシャルスタジオSTEAM STUDIO」を展開する。
ラジオ局J-WAVEはポッドキャストの発信拠点「J-WAVE CROSSING STUDIO(仮称)」をオープン。銘菓「うなぎパイ」で知られる春華堂(静岡県)はカフェ「HOW’z(仮称)」を、デザインクリエーティブ事務所ジョージクリエイティブカンパニー(港区)はギャラリー「匿名希望画廊」をそれぞれ開く予定。本を中心に文化にまつわる企画・場づくりを手がける「ひらく」(千代田区)は、出版社からの提供や一般市民から寄贈された雑誌約3000冊を扱うライブラリー「COVER」を展開する。
施設内には銭湯やフードコートなども展開する予定。
東急不動産は、東急プラザ表参道原宿5階に今夏オープンした「LOCUL」など、自社で展開する拠点と連携し同エリアの持つ文化醸成力や文化発信力の「復活」を目指す。