表参道沿いの結婚式場「アニヴェルセル 表参道」(港区北青山3)が9月8日、全館リニューアルする。
ゲストハウスウエディングを中心に手がけるアニヴェルセル(北青山3)が展開する同館は、1998(平成10)年11月にオープンし、今年で25周年を迎える。施設は地下1階~地上8階のビルと別棟のチャペルで計9142平方メートル。
近年のブライダル市場は、少子化や婚姻数の減少、挙式などを行わない「なし婚」の増加などにより市場規模の縮小が「進行」。コロナ禍に伴いニーズも多様化し、売り上げ構成比の90%以上がウエディング事業の同社にとって同事業のみで「成長戦略を描くことが一層困難になってきた」(松田健一社長)と言う。「記念日プロデュース」を掲げ「モノ・コト・トキ・サービス」の提供し、現状5%未満のウエディング以外の売り上げを今後30%まで引き上げる狙い。
地下1階は、クロークや美容室など結婚式参加者の控え室となるホワイエ。地上1階「ギャラリー」は「表参道に新しくにぎわう道を作る」をコンセプトに改装。表参道からチャペル側に抜ける回廊は、壁一面を取り払い空間をシームレスにつないだ。旧カフェの赤いコクリコカラーや、チャペルのバージンロードの色でもある青色を家具や壁面に採用する。
プレートランチ(2,090円)や完全予約制のアフタヌーンティー(6,500円)などを提供するカフェラウンジ(店内56席、テラス37席)に加え、回廊に沿ってテイクアウトにも対応するケーキショップやコーヒースタンド(イートインスペース10席)を新たに出店。チャペルの近くには仏フラワーショップ「カンコー パリ」をオマージュしたフラワーショップ「CQ Decoration by Hanahiro」もオープン。表参道側のエントランスには、ジュエリーブランド「ティファニー」のフラッグシップストアがオープンを予定している。
2階「ステュディオ」は、インポートのウエディングドレスやタキシード、白無垢などを扱う、同施設で挙式する人専用のドレスサロン「MW BY MAGNOLIA WHITE」が関東初出店。ブライダルヘア&メークサロン「Sereno」とコラボレーションし、パーソナルカラー診断や骨格診断などのサービスも行う。同フロアには、フォトスタジオも新設。結婚報告やマタニティー、成人式、卒業式などさまざまな撮影に応じる。
3階~7階はパーティー会場。各フロア異なるコンセプトに仕上げ、挙式前に行うウエルカムパーティーではフロアコンセプトに合わせたドリンクやフードを提供する。テラスを備える3階「セゾン」(最大収容人数149人)は、ロビーとホールの仕切りを取り外して利用することもでき、その際は250人を収容できる施設内で最も広い会場となる。4階「アトリエ」(同122人)は、白を基調にしたシンプルな空間で、メッセージカードなどを入れられる引き出しを複数取り付けた壁面や、ガラスとテラゾーのカウンターなどを配置している。
オリエンタルな雰囲気の5階「サロン」(同121人)と「きらびやか」な雰囲気の6階「スイート」(同100人)は同社の「王道ウエディング」を表現したパーティー会場。大幅にリニューアルしたという7階「メゾン」は邸宅をイメージ。淡いピンクを配合した左官壁や表参道の並木をイメージした緑色のファブリック、ポプラの木の壁面などの空間に特注家具を置く。100インチモニターを置くリビングルーム、食事を提供するダイニングキッチン、新郎・新婦が食事、メーク、着替えなどを行うマスタールームに加え、室内で挙式を上げられるなど、1部屋で結婚式が完結できるようになっている。利用は1日1組(最大30人)限定となっている。
8階「テラス」はパーティー会場であるとともに、金曜・土曜・日曜は会員限定・完全予約制のレストランとなる。席数は4人がけテーブル10卓の40席。バーカウンターや表参道、原宿方面それぞれにテラス席を設けている。レストランでは2カ月ごとに変わるコース1種類のみを提供する。
チャペルは、ロイヤルブルーのバージンロードと英「ウィリアム・モリス」のステンドグラスは継承しつつ、「花」や「光」を取り入れて刷新した。天井高は11メートル、バージンロードの長さは20メートル。
各パーティー会場を使った、企業などによるセミナーや表彰式、ポップアップショップ、展示会などにも対応。すでに「想定を上回る推移で」予約が入っているという。
営業時間は、ウエディング=平日12時~19時、土曜・日曜・祝日9時~19時、カフェラウンジ=11時~21時、コーヒースタンド=11時~20時、ケーキショップ=11時~19時、フラワーショップ=平日11時~10時、土曜・日曜・祝日11時~19時。ウエディングは火曜・水曜、フラワーショップはそれぞれ火曜が定休。