「ハチ公生誕 100 年フェスティバル(通称「HACHIフェス in 渋谷」)が8月5日・6日の2日間、渋谷キャスト(渋谷区渋谷1)で開催された。渋谷区や一般財団法人渋谷区観光協会、秋田・大館市などが実行委員会を結成し展開しているハチの生誕100年事業(通称「HACHI100プロジェクト」)の一環。
秋田犬のハチは1923(大正12)年11月に秋田・大舘で生まれ、生後約2カ月で渋谷町大向地区(現在の松濤エリア)に住んでいた東京帝国大学(現東京大学)教授、上野英三郎博士に譲り渡された。上野教授の出勤時に渋谷駅までの送り迎えをするのが日課で、上野博士が急逝した後も駅の改札前で待っていたことが広く知られたことから銅像が造られた。
両日、屋外スペースの「ガーデン」には12のブースが出展。「ハチふるSHIBUYA meets AKITA」「ヨックモック」「コネリ渋谷」などが、ハチ公生誕100年を記念した限定商品を販売したほか、JR東日本渋谷駅は「子ども駅長制服撮影コーナー」を展開。渋谷区内に本社を構えるビクターエンタテインメントは、亡き主人の声が流れる蓄音機に耳を傾けるビクターマークのニッパーと、亡き主人を待ち続けたハチの、家族を思う「つながる」ストーリーを踏まえ、パンフレットやトートバッグの配布などを行った。
ハチの飼い主・上野英三郎博士が通っていた東京大学農学部に現在通う学生が本年度結成した「ハチ公大好き東大の会」は「ハチ公博士になろう」をテーマに、クイズやポスター展示を通して、ハチや上野博士についてより詳しく知ることができるブースを展開した。「100周年でハチ公と上野博士の対面式ができないか、と授業で先生がおっしゃっていて面白そうだなと思い声をかけたら20人ほどが集まった」と代表の青木馨さん。副代表の絹川雛子さんは「渋谷に住んでいることもあって、ハチ公にはもともと親しみがあった。同じ学科の友達が提案したので面白そうだなと思って参加した」と話す。
大階段では両日、ステージイベントも開催。6日は、金製品の販売や貴金属の買い取りを行うSGC(中央区)が制作した、等身大の秋田犬をモチーフにした「黄金の秋田犬親子」もお披露目した。大館市の福原淳嗣(じゅんじ)市長や忠犬ハチ公銅像維持会の会長・副会長らが出席して除幕式を行った後、一日限定で会場に展示して自由に撮影できるようにした。除幕式で福原市長は、11月に大館市で開催される記念イベントに展示する「黄金の秋田犬親子」について、「大館市が(この像を)買うかも」と明かした。
メインイベントとなる「ハチ公生誕100年フェスティバル in 大館(通称「HACHIフェス in 大館」)は11月11日・12日、ニプロハチ公ドーム(秋田県大館市)で開催。8月5日・6日は、その100日前に当たる。