恵比寿ガーデンプレイス内に2024年4月、「ヱビス」ブランドの醸造施設を併設する体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO」(渋谷区恵比寿4)がオープンする。
同施設内の「ヱビスビール記念館」をリニューアルするもの。サッポロビールの前身・日本麦酒醸造会社は1890(明治23)年に恵比寿で創業し、「ヱビスビール」のルーツとなる「恵比寿ビール」の醸造・販売を旧目黒村三田で開始。1988(昭和63)年6月の工場移転に伴い同所でのビール醸造は終了していた。
ヱビスブランド誕生の地で再び醸造を行うことになる同社。同施設を「ヱビスの座標軸でもあり、新たなビール文化が生まれる拠点」と位置付け、ヱビスブランドのルーツ・現在・未来を紹介し、「ビールの原体験」を提供する。
延べ床面積は318平方メートル。ドイツ製の醸造設備(製造能力130キロリットル)を採用するビールの醸造設備やビール開発を担当するスタッフの部屋を設けるブルワリーエリア、ヱビスビールの歴史物語や過去の写真などを公開するミュージアムエリア、ビールを飲みながらミーティングなどができる「ビアストーミングエリア」も設けるタップルームエリア(飲用スペース)を併設する。
タップルームでは、「ヱビス ∞ (インフィニティ)」「ヱビス ∞ ブラック」という同所限定のビールや、期間限定・数量限定などヱビスビール常時6種類程度を提供予定。「ヱビス∞」は8月に恵比寿ガーデンプレイスで開催予定の「YEISU BEER HOLIDAY」で先行販売するという。
ヱビスブランドは、昨年から顧客接点戦略の一環として、恵比寿ガーデンプレイス内にビアバー「YEBISU BAR STAND」、JR恵比寿駅構内に駅ナカ業態「TAPS BY YEBISU」を出店するなど新たなリアル接点の場を設け、新たなコミュニケーションとして会員制参加型コミュニティーサイト「YEBISU BEER TOWN」を開設するなどしている。「YEBISU BREWERY TOKYO」もその戦略の一つのリアルな接点の場となる。
総工費は約17億円。営業時間などは未発表。「ヱビスビール記念館」は2010(平成22)年に、ブランドの歴史を中心に紹介するPR施設として開館したが、「YEBISU BREWERY TOKYO」へのリニューアルに当たり昨年11月から休館している。