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東急プラザ原宿表参道、5階を全面改装 出店者にサブスク導入

広さや什器を選んで出店できる売り場の様子

広さや什器を選んで出店できる売り場の様子

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 東急プラザ表参道原宿(渋谷区神宮前4)5階が8月1日に全面改装し、新フロア名「LOCUL(ローカル)」としてリニューアルオープンする。

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 売り買いの場である商業施設を「体験・共感・創造を生むコミュニケーションの場」にアップデートする同フロア。コロナ禍でテナントの退店が重なったことを機に、「商業施設のあり方を変えないといけない」と考えると同時に、原宿・表参道エリアを「新しい文化やカルチャーの創造・発信拠点にしたい」という思いからコンセプトを練った。

 トータルディレクションやオペレーションマネジメントにシェアオフィス事業を展開するリアルゲイト(千駄ヶ谷3)が参画。初期投資や契約期間など出店のハードルが高い従来の商業施設に対し、小資本のブランドやショップが「チャレンジできる環境」として、リテールにも「シェア」の考えを取り入れサブスクリプションサービスを導入する。

 一過性の盛り上がりを生むポップアップのスペースではなく、コミュニケーションを重視し、商店街のようなイメージで出店者同士も長期的にフロアの盛り上げを考えられるようサブスクリプション制を導入。個ではなく集合の相乗効果でフロアを盛り上げる狙い。出店希望者は会員(基本1年単位)になることで、期間(1日~)や場所(1平方メートル~)、什器(1日・1個275円~)などをセレクトして、費用を抑えながらフレキシブルに出店できる仕組みを構築した。

 フロア名の「LOCUL」は、リニューアルコンセプト「Lo-Fi Culture Collective」の略と街に「開かれた」コミュニティーを示す「LOCAL」という意味を込めて命名した。

 フロア面積は約1000平方メートル。リースラインを無くしていることから、極力壁を建てず出店者の要望に応じて柱や棚などを設置できるようにするほか、什器はキャスターを付けるなど可動式にしたりシートを貼ってデザインを変えられるようにしたりする。

 オープン時は13店が出店。自社ブランドやセレクトブランドなどアパレルを展開する「キュリアスデザイン」、目黒のフラワーデザインスタジオ「MUNSELL」による生花店「PLAY」、海外ののジュエリーやフレグランスを扱う「PERMANENTE」、初の店舗出店となる「ありがとう」というメッセージを込めたガトーショコラショップ「Early Gateau」など。古着店「muddler」は隣接して出店する古着店「AT.1011」がシャツをメインに扱うことからTシャツを中心にラインアップするなどすみ分けを図る。スペシャルティコーヒーやフード、スイーツを提供する「LOCUL CAFE&DINER」は同5日にオープン予定。映画館「CINEMA AMIGO」は月に2回、フロア内で映画上映を行う「CINEMA DAY」を開催していく。

 フロアにはシェアオフィスも併設。2人~10人程度に対応するスモールオフィス7区画やフロア(ショップエリア)に面したショップオフィス3区画、フォンブース2室、会議室2部屋を用意。入居者用のラウンジには畳の小上がりスペースを設け冬季にはこたつになる大テーブルを置いている。ラウンジに面したオフィス区画の出入り口は「縁側」を設ける。

 施設を運営する東急不動産の都市事業ユニット都市事業本部商業事業部営業運営グループの松村高暢主任は、同所にかつて存在した多くのクリエーターが事務所を構えていたことで知られる「原宿セントラルアパート」や独自の文化を生み出した裏原宿を例に、「クリエーターや個人、企業が大小にかかわらず集まり共創することで新しい文化を生み出し発信していける施設を目指したい」と話す。

 営業時間は11時~20時。同施設のはす向かいには2024年春(予定)に「東急プラザ原宿『ハラカド』」が開業予定で、開業に合わせて東急プラザ原宿表参道は「東急プラザ表参道『オモカド』」に改称することが決まっている。

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