渋谷駅の地下街で7月27日、避難訓練が開催された。主催は、東京都や施設管理者などで構成する東京都地下街等浸水対策協議会。一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント、渋谷地下街などが共催。
東京都は「浸水被害に強いまちづくり」の推進を図り、河川や下水道の整備など治水対策を官民連携で促進。継続的に水害が発生し、周囲を坂に囲まれスリバチ地形の中心に駅が位置することでも知られる渋谷も、1999(平成11)年や2015(平成27)年、地下鉄構内や地下街が浸水被害に遭っていることから、今回「ゲリラ豪雨」をテーマに避難訓練を行った。
子どもの教育の一環として親子を対象に参加者を募集し3部計46人が参加した。地下街の管理者らは毎年それぞれで防災訓練を行っているが、ゲリラ豪雨は来街者がいるときに発生する確率が高いことから、「何をするべきか」を知ってもらうことなどで速やかな誘導につなげたいと考えた。
この日は「大雨特別警報」が発生したと想定。地下街「渋谷地下街(しぶちか)」から、地下街のスタッフらの誘導の下、地上へ移動したほか、地下に水が流れ込むのを防ぐ止水板(高さ50センチ)を実際にA5a出入り口に設置する様子を見学。災害時にはインターネット上の情報に左右されることなく、慌てずに案内に従って行動するよう伝えた。渋谷駅の地下広場では、雨水の流れを見られる模型や土のう・水のうを使った浸水対策方法なども紹介した。
震災をきっかけに地震や水害に興味を持つようになったという杉並区の黒柳元椰(もとや)さん(小学2年)は、日頃からユーチューブなどで調べたり避難袋を用意したりしているという。「出て良い出口とだめな出口が分かった。また機会があったら参加したい」と振り返った。豊島区の谷内千捷(ちはや)さん(小学4年)は「なるべく地上の、土地が高い方の出口に逃げようと思った」と話した。止水板に興味を持ったようで、「もうちょっと止水板が高ければもう少し安心できるかなと思った」とも。