子どもたちが海の環境問題について楽しく学ぶイベント「海の自由研究フェス2023~海と日本プロジェクト~」が7月15日・16日の2日間、原宿の商業施設「WITH HARAJUKU」(渋谷区神宮前1)で開催された。主催は、全国各地の街や海でごみ拾い活動を行うNPO法人「グリーンバード」。
同NPOによると、海のごみの8割を街のごみが占め、プラスチックごみは海の中で400年も漂い、生き物にも被害を及ぼしているという。「こうした問題の原因は私たち人間であり、海を守るために一人一人の意識を変えていかなければならない段階に達している」と2018(平成30)年、同イベントを始めた。5回目となる今回は、2日間で親子合わせて過去最高となる2700人が参加した。
海の環境問題や生き物について学ぶ「海のワクワク体験講座」では、「ホタテの貝殻で海の世界を作ろう」「マイクロプラスチックでアクアドームを作ろう」「MSC認証を学んで、紙粘土でお魚を作ろう」「アルミ缶でプランターを作ろう」「シーグラスでウミガメチャームを作ろう」「地球に優しい漁網でマイバッグを作ろう」「ウニの貝殻でランプを作ろう」など、海の環境問題や生き物をテーマにワークショップを展開。各テーマに沿って海の現状などをスタッフが説明し理解を深めた後、子どもたちがワークショップに取り組んだ。
トークショーでは、TikTokやユーチューブで活躍する環境系エンターテイナー「WoWキツネザル」さんと、「さかなのおにいさん かわちゃん」こと川田一輝さんが、海の環境問題や海の生き物の秘密について、子どもたちに分かりやすく解説した。
その他、 会場内に隠された海の生き物を探しながら、生態や環境問題を学ぶ「海のビンゴスタンプラリー」、大型キャンバスに海洋プラスチックごみを使って海の生き物を描く参加型アート企画、サステナブル商品を展示・販売するマルシェ、環境推進キャラクター「すすめ!さかなクン」による「プラギョミさん」の実態を解説したパネル展示も行われたほか、環境問題に取り組む企業の製品や取り組みを紹介するブースも設けられた。
「コロナ禍を経て久しぶりに万全な形での開催となった。これまでの渋谷の会場から場所を移し、原宿駅前の商業施設でコンテンツなども増やし、過去最大規模での開催となった。参加者数も過去最大となり、東京だけでなく他県からも多くの子どもたちが足を運んでくれた」と振り返る同NPOの福田圭祐理事長。「子どもたちが楽しそうに環境問題を学び、自分事化できるきっかけを提供できたと感じている。来年は東京に加えて地方でも展開していきたい」と意欲を見せる。