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渋谷・モヤイ像、汚れを落としきれいに 「シブハナ」活動20周年で

水をかぶりデッキブラシなどできれいにされるモヤイ像

水をかぶりデッキブラシなどできれいにされるモヤイ像

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 渋谷駅前のモヤイ像周辺で植栽を続けているボランティアによる「渋谷Flowerプロジェクト(通称=シブハナ)」が今年で活動開始から20年を迎えたことを記念し、7月8日、プロジェクトのメンバーたちがデッキブラシなどを使いモヤイ像をきれいにした。

5年分の汚れを落とし「美肌」になったモヤイ像

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 2003(平成15)年、環境イベント「アースデー東京」に合わせてモヤイ像の周り一面をポットに植えた1000個の花で飾ったのが始まり。その際は2週間限定だったが、その後、渋谷区にかけ合うなどして翌2004(平成16)年には植栽が実現。区公認の下で、同所を含め渋谷駅周辺の花壇を継続的に管理し、ごみ清掃や植え替えなどを続けてきた。

 プロジェクトは、「渋谷を花と緑でいっぱいの街にしたい」との思いから始動し、花を植えることでごみのポイ捨てがなくなることや、若者に環境問題やボランティアに対する興味を持ってもらうきっかけづくりも目的に活動してきた。当初は若者中心だったメンバーも、20年で「(世代が)だいぶ縦長になってきた」とメンバーの一人、小島盛利さんは話す。現在は20~50代のボランティアが活動していると言う。

 この日は14時ごろ、モヤイ像の清掃をスタート。10人ほどがデッキブラシやたわしを使い、1時間余りかけて汚れを落とした。清掃の際の水は、モヤイ像の向かいにある施設「渋谷フクラス」が提供した。小島さんによると、最後に石像を洗ったのは2018(平成30)年で、その時とは像の汚れ方が大きく違ったという。「こんなに真っ黒になったことはなかった。恐らく周りでずっと工事をしていることが原因」と、像に近接して工事が進む渋谷駅の再開発の影響を指摘する。

 清掃後は、ヒマワリやサルビア、メランポジウムなどをメインに植栽を新しい花で埋め、17時ごろ作業を終えた。植えた花苗の一部は、東日本大震災以降、交流を続けてきた福島県飯舘村の造園会社「庭坊」から提供されたもの。花壇は季節ごとに年3~4回植え替えているため、今春以来の植栽作業だったという。

 小島さんは「この20年で渋谷は『大人の街』になったと思う。一方で、昔からの活気変はわっていない。モヤイも私も20年間の移り変わりを見てきた」と振り返り、「もともとは街をきれいにしようと思って始めたが、今は花壇に落ちているごみも減り、街がだいぶきれいになった。進んで清掃する人たちも増え、いろいろな人が努力しているという実感がある」と変化を喜ぶ。20年前にはなかった花壇も、今は渋谷公園通りや道玄坂、宮益坂と各商店街を中心に整備され、プロジェクトが目指す「花でいっぱいの街」も実現しつつある。

 今年9月には、20周年イベント第2弾として「世界アルツハイマーデー」に合わせた企画も予定している。

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