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渋谷ヒカリエで写真家・平間至さん写真展 「音が聞こえる」作品一堂に

会場のエントランスで撮影に応じる平間至さん

会場のエントランスで撮影に応じる平間至さん

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 タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」をはじめ、多くのアーティストのポートレートなどを手がけてきた人気写真家・平間至さんの写真展「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」が7月8日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)9階ホールBで始まった。

俳優やアーティストらを捉えたポートレートが並ぶ

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 ロックな写真家であり続ける――「情熱的に」をモットーに一枚の写真に生きる躍動を写し、作品から「音楽が聴こえる」とも評される平間さんのこれまでの作品200点以上を一堂に集めた企画展。今年1月から長期休館しているBunkamura(道玄坂2)が主催し、同館のギャラリー「ザ・ミュージアム」から場所を変えて開く。同フロアのホールAでは同じく写真家のソール・ライターの生誕100年を記念した企画展「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」を同時開催している。

 1963(昭和38)年、宮城県塩竈市生まれの平間さんは、塩竈市内で写真館を営む実家で育ち、中学時代にパンクロックに傾倒するなどのバックグラウンドを持ち、日本大学芸術学部写真学科を卒業後に写真家・伊島薫さんに師事。「NO MUSIC, NO LIFE.」のポスターをはじめ、多くのミュージシャンを撮影してきた。写真イベント「塩竈フォトフェスティバル」の企画・プロデュースや、音楽フェスティバル「GAMA ROCK FES」の主催などのほか、2015(平成27)年1月には三宿に自身の写真館「平間写真館TOKYO」を開くなど精力的に活動を続けている。

 赤や黄色などの壁を特設し、人が行き交う渋谷駅前スクランブル交差点もイメージしたという会場には、平間さんがこれまで撮影した雑誌のカバーやCDジャケットの作品などを集め、主に3部で構成する。第1章「SONGS #1 原点」では、写真館の3代目として生まれ育った平間さんが東京でフリーの写真家となり、代表作となる写真集「MOTOR DRIVE」(光琳社刊)に収録された作品などを展示。大学時代に制作した課題作品、卒業後にニューヨークに滞在した際に撮影したストリート写真なども初公開し、平間さんの原点を形作ったカメラワークや写真家としてのスタートラインに迫る。

 続く「SONGS #2 仕事」は、「NO MUSIC, NO LIFE.」に使われた作品をはじめ、雑誌・CDジャケットなど、平間さんがミュージシャンらを写真に収めた「音楽の仕事」を紹介。国内でCDが最も売れた時代とされる1990年代から2000年代にかけて平間さんが歌手・安室奈美恵さんやバンド「Mr.Children」らを撮った作品群などを並べる。「SONGS #3 バックステージ」では、実際に起用されたセレクトカットの前後となるコンタクトシートや、平間さんのアイデアノートの実物、仕事を共にしてきた編集長らの言葉などを、CDや雑誌も併せて展示する。

 ダンサー・田中泯さんの「場踊り」を捉えたシリーズや、平間さんがライフワークとして写真館で撮り続けている家族写真は、「SONGS #4 場踊り」として紹介。「SONGS #5 平間写真館TOKYO」では、平間さんが営む写真館で撮影した家族写真をメインに展示する。

 今月7日に会場を訪れた平間さんは展示全体について説明しつつ、「広告などの撮影の場合はクライアントや被写体がいて、媒体や鑑賞者のことも考える。それに対して写真館は撮るものがクライアントであり、被写体であり、鑑賞者だというのが非常にミニマムで、一番人に影響を与えやすいのでは」と、写真に対する見解などにも触れた。

 開催時間は11時~20時(最終入場は19時30分まで)。入場料は、一般=1,300円(前売り1,100円)、大学・高校生=600円、中学・小学生=400円。8月23日まで。

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