コロナ禍で昨年まで3年間にわたり中止となっていた恵比寿駅周辺の夏の恒例行事「恵比寿駅前盆踊り大会」が7月28日・29日、4年ぶりに開催される。
第1回開催は約70年前の1954(昭和29)年。地元の町会・商店街や住民、遠方から詰めかける来街者らが集まり、駅前に組まれた大きなやぐらを中心に盆踊りを楽しむ光景が恵比寿の夏の風物詩となっていたが、2019年の第67回を最後に、2020年~2022年の過去3年間はコロナ禍の影響で中止を余儀なくされていた。
ウィズコロナも浸透し、3年ぶりに復活したイベントなども多かった昨年も、屋台を一切出さず、踊る人数を通常の3分の一ほどに抑えるなど、都のイベント開催時の指針に沿い感染対策を講じて開催する予定だったが、直前の新型コロナ感染爆発を踏まえ中止を決めた。今年は、5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行されたこともあり、4年ぶりの開催が決まった。
今年のテーマは「譲り合い盆踊り」。例年やぐらを組む恵比寿駅西口ロータリーの会場は、踊れる場所を制限し、アトレ西館側に入り口、駒沢通り側に出口を、それぞれ設ける。入り口では検温後にリストバンドを配布。場内はマスク着用を義務づけ、飲酒を禁じるほか、混雑時には入場を制限し、一定時間踊った人には次の人に入場を「譲る」よう呼びかける。食事を伴う屋台や模擬店は出店しない方針で、一部飲料は販売する予定。
祭り開催時は、恵比寿駅西口に乗り入れる東急バス・都バス共に転回場所やバス停の位置を変えるなど一部臨時で変則的な運行に対応するほか、通行止めなどの交通規制も行う。
今月3日に行われた町会連合会や地域住民らによる会合で登壇した長谷部健渋谷区長は、4年ぶりの開催について、「大変うれしく思う」と笑顔を見せ、区内の他の地域での祭りも「どんどん復活してきている」と説明。「特に、恵比寿はずぬけて大きな盆踊りで、まさにこの街の顔になる行事。大勢の人が集まって楽しく踊って、毎年やって良かったという声を聞き地域の絆の強さを表すような行事」と続け、「ここから1カ月弱。区としてもできる限りのことをしていきたい」と力を込めた。
開催時間は18時~21時30分(交通規制は17時30分~22時)。2日間で延べ約4万人の来場を見込む。