Bリーグ2022-23シーズンを戦ったアルバルク東京の選手やコーチらの去就が出そろった。
新たなヘッドコーチ(HC)を迎えて戦った今季は、序盤こそ勝ち星を分け合う戦いもあったが、B1記録となる ホームゲーム 19 連勝を記録するなど地力を発揮。レギュラーシーズンを42勝18敗の東地区2位で終えチャンピオンシップ(CS)進出。けが人に苦しみながらもCS初戦を勝ち、ベスト4でシーズンを終えた。
今季で退団するのは、6季在籍しゴール下での力強いプレーや随所で決める3ポイントシュートなどレンジの広いシュート力に加え、ヒーローインタビューやSNSでは日本語で発信するなどしていたアレックス・カーク選手、仲間を生かすプレーに加え高確率のシュートで平均14.3点をマークするなどしたガードのジャスティン・コブス選手、練習生から契約を勝ち取り持ち前の守備力でエナジーを与えた岡本飛竜選手ら6選手。アグレッシブな守備や積極的にチームメートとコミュニケーションを取るなどしてチームを支えた藤永佳昭選手は秋田ノーザンハピネッツに、要所で決めるシュート力を持った若手ガードの笹倉怜寿選手はB2の越谷アルファーズに、それぞれ移籍することが決まっている。
Bリーグ開幕前から9季在籍し、自らの得点だけでなく攻撃をクリエートするスキル、攻撃力の高い選手を止める守備力など攻守共に国内トップレベルの選手で、2019-20シーズンにはレギュラーシーズンMVPに選ばれるなどしている田中大貴選手は、サンロッカーズ渋谷に移籍する。
田中選手はファンの応援に感謝の言葉をつむぎつつ、「ファンの皆さまに何とか勝ち姿を見せ、自分たちが応援しているチームは 1 番強いチームなんだと思っていただけるように必死にプレーし続けた」と9 年を振り返る。「今回の決断が簡単ではなかったことは言うまでない」と複雑な心境を明かしつつ「最終的には自分がどうしたいのかと考えた時に、今までもそうしてきたが、自分が納得して楽しいと思えるところで、自分のことを本当に必要としてくれている人のもとでプレーがしたいと思った」と移籍を決断した。
田中選手と同窓の後輩でもあるザック・バランスキー選手は、「正直さみしい気持ちが大きい」と吐露しつつ、「D(=田中選手)の意思を受け継ぐ」と在籍歴最長となる10季目として契約を更新。今季、けがで長期離脱した田中選手不在のなか得意の3ポイントシュートなどで得点を引っ張った安藤周人選手、若手ながら攻守でチームを引っ張る小酒部泰暉(たいき)選手、アグレッシブなプレーヤーでリバウンドも強いセバスチャン・サイズ選手、ビッグマンながら攻撃をクリエートする能力も高いライアン・ロシター選手、日本代表候補の吉井裕鷹選手、プレー時間問わずハッスルプレーを見せる若手ビッグマン平岩玄選手も継続する。
デイニアス・アドマイティスHCは2季目として来季も指揮を執るほか、森高大(たかひろ)トップアシスタントコーチをはじめとするスタッフ15人も契約更新している。
来季に向けては、バランスキー選手と高校の同級生でもあるシューター福澤晃平選手、エナジーあふれるプレーでチームを引っ張るベテランガードの橋本竜馬選手、得点能力も高い日本代表候補の若手ガードのテーブス海(かい)選手の加入が発表されている。