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WEリーグ、渋谷区を本拠地に 行政や渋谷未来デザインとも連携

協定を結んだWEリーグ高田春奈チェア(左から2番目)や長谷部健渋谷区長(同3番目)ら

協定を結んだWEリーグ高田春奈チェア(左から2番目)や長谷部健渋谷区長(同3番目)ら

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 渋谷区と公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)が6月26日、相互協力に関する協定を締結した。区との協定内容を具現化するため、同日、同リーグは一般社団法人渋谷未来デザインとパブリックパートナー契約も締結している。

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 日本女子サッカーは、2011(平成23)年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)、2014(平成26)年のFIFAU-17 女子W杯、2018(平成30)年のFIFAU-20女子W杯と3世代で世界一に輝いた世界唯一の国という実績を持つ。

同リーグは今回の協定で、国内の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」や女子サッカーの普及・発展を目指す。事務所を構えていたJFA(日本サッカー協会)ハウスの移転に伴い、同日、渋谷に拠点を移したが、渋谷区がダイバーシティーやインクルージョンを重視したまちづくりをしている点や世界から認知されている国際性が「私たちが目指したいものと完全に合致している」(WEリーグ高田春奈チェア)と判断した。

 両者は「女子サッカーの普及・振興」「女子サッカーを通じた健康増進」「多様性社会の実現に向けた協働施策」などに関することに取り組む予定で、具体的には、区内でサッカーができる場所作り、著名な選手によるサッカー教室の開催、女子サッカーや女性特有の健康課題に関するイベント、女子サッカーの国際大会に向けた気運醸成イベント、ジェンダー平等やLGBTQ関連イベントなどを区内で行っていく。

 7月15日には渋谷ストリーム内のフットサルコートで女子サッカー普及事業の一環で小学生以下の未経験者・初心者を対象とした「Second Touch」の開催(JFA主催)を予定するほか、今後は、国立競技場で開催されるWEリーグカップ決勝戦に区民や勤務者・通学者などの招待、渋谷エリアの特産品・商品との連携、デジタル技術やデータを活用した「新しいファンエンゲージメント」のやり方の企画・実証も模索していく。

 ジェンダー平等への取り組みを背景に、女子サッカーを盛り上げようとする機運が高まっている女子サッカー界。欧州女子サッカーの試合では1試合で9万人以上を動員した試合があったり、米女子サッカーリーグでは平均9600人を動員していたりするという。高田チェアは「より多くの方にまず見てもらうこと」の必要性に触れ、渋谷未来デザインの長田新子理事・事務局長は「身近で目に触れる機会や選手と触れ合える機会をどれだけつくれるかがかなり大事。そういうことでファンやサポーターしてくれる人が増えると思っている。それはまさに地域の役割。公園や公共空間などにプレーできる空間を作っていきたい」と続けた。その一つとして、常設のグッズショップの出店など、タッチポイントを増やすことも考えている。

 高田チェアは「『渋谷から世界へ』。私たちが目指すのは世界。海外リーグと渡り合えるようなリーグ、老若男女に愛されるリーグ、輝く女性の象徴になり日本の社会を明るくする存在になりたい」と意欲を見せた。

 長谷部健渋谷区長は「女子プロスポーツとやっていくのは初めて。特に子どもたちのスポーツ、数字を見ると中学生から女子がスポーツ離れをしてしまう傾向がある。都心ならではの、なかなかスポーツする場所がなくても、WEリーグの方々に来ていただいてトップ・オブ・トップの姿を見せていただくことや、子どもたちの憧れる姿を示していただくだけでも街の大きな活力になると思うし、プロスポーツが地域活性につながることは非常に感じている。互いのリソースをかけ合わせて一緒に渋谷を盛り上げていただけたら」と期待を込める。渋谷区では文化部活動を地域移行する「渋谷ユナイテッド」を推進していることから、同取り組みでの連携も行っていく予定。

 さらに、7月には同リーグ発足以来初となるFIFA女子W杯が開幕を控えている。日本代表(なでしこジャパン)には、23選手中14選手が同リーグから選出されている。7月6日には渋谷区内でなでしこジャパンの壮行会が行われる(JFA主催)、パブリックビューイングの実施も視野に入れる。高田チェアは「2011(平成23)年の感動をもう一度日本中に届けられるように渋谷という街から、日本中、世界中にその勇気を届けられるようにリーグとしても頑張りたい」と意気込んだ。

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