Bリーグ2022-23シーズンを戦ったサンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)の選手たちの去就が明らかになった。
昨年10月~今年5月にわたった今季のBリーグ。親会社が日立製作所からセガサミーホールディングスに変わったSR渋谷は、好調な滑り出しを見せるも、勝ち星が続かずシーズン前半の12月にヘッドコーチが交代。けが人もありメンバーがそろわない試合も多く、レギュラーシーズンを28勝32敗で終了。東地区4位、24クラブ中13位という結果でチャンピオンシップ進出を逃した。
オーナー変更という変革の時を迎えるなか「チームとしてさらなる成長を遂げるために、コーチ・スタッフの選定、選手の補強に今まで以上に注力している」(大江田孝幸ゼネラルマネジャー)なか、6選手が今季で退団する。ガードながらリバウンドを強みとしたほかスピードの速い選手から高長身の外国籍選手まで対応する守備力を見せた渡辺竜之佑選手、堅い守備や要所で得点を挙げる勝負強さなどのプレーだけでなく、監修グッズやシート企画などでも盛り上げた石井講祐選手、201センチの長身ながら3ポイント(P)シュートを得意とし日本代表候補としても注目を集めたルーキー井上宗一郎選手など。加えて、2019-20シーズンからアシスタントコーチを務め今季途中から指揮を執った浜中謙ヘッドコーチ(HC)、元SR渋谷の選手で2021-2022シーズンから在籍した木下博之アシスタントコーチらも退団する。
田渡修人選手は得意の3Pや的確な判断力を見せつつ、直近2シーズンはけがに苦しみながらもベンチ外でもチームを支えた。2季連続でオフコートキャプテンを務めたが「仲が良く気持ちの良い人たちの集まりで、バスケに対して一生懸命やっていたので、(自分は)特に何もやっていない。素晴らしい人たちの集まりでオフコートキャプテンやらせてもらえて楽しかったし、自分自身も成長できて良い経験だった」と言う、「本当にぜいたくで貴重な時間」と「地元」東京のチームでプレーできたことを振り返りつつ、「このチームが大好きです。仲間と過ごした毎日が、本当に楽しくて楽しくて。ずっと続けばいいなーなんて思ったりもしました。笑」(原文ママ)とコメントを残している。安定した得点力や堅実なプレーでチームを引っ張ったケビン・ジョーンズ選手も契約満了となっているが、来季に向けてクラブは交渉を続けている。
守備の要としてチームを引っ張ったほか、チームを鼓舞する声がけやベンチでは仲間の得点に全身で喜ぶ姿を見せるなどしていた副キャプテンの関野剛平選手とは交渉が実らず、地元・北海道のレバンガ北海道へ移籍。199センチという高身長ながら機動力を生かしたプレーを見せた若手の西野曜選手とも交渉を続けていたが、横浜ビー・コルセアーズへ移籍することが決まった。「人も場所も最高で、たくさんの経験をさせていただいた」と2年半を振り返り、自身のSNSでは「みなさん大好きです」とコメントしている。
ヘルニアから復帰し平均得点17.6点と得点を引っ張ったライアン・ケリー選手(6季目)、2018-19シーズンの特別指定選手から5季目となるサウスポー盛實海翔選手、ゴール下の番人としてチームを支えるジェームズ・マイケル・マカドゥ選手(4季目)、昨季加入し安定したゲームメイクや得点力を見せた小島元基選手、同じく昨季加入し持ち前の守備力を発揮しコート外では「愛されキャラ」の津屋一球(かずま)選手ら6選手が契約を更新。
生え抜き8季目となるベンドラメ礼生選手は「みなさんの心は大きく揺れ不安な気持ちもまだあるかもしれません。大きく変化していく中で不安な気持ちを吹き飛ばしたい。プレーでみなさんの心を揺らしたい。そう強く思いました」(原文ママ)と来季への思いと共に契約更新を発表した。
来季に向けては、自国の代表チームのHCや日本代表の暫定HCなどを務め、2017-2018シーズンから5季にわたりアルバルク東京のHCを務め2度のリーグ制覇に導くなどしたモンテネグロ出身のルカ・パヴィチェヴィッチさんがHCに就任することが決まっているほか、青山学院大学出身で日本代表経験のある日本人ビッグマン永吉佑也選手の加入も発表されている。