東急プラザ表参道原宿(渋谷区神宮前4)5階が8月、リニューアルオープンする。
従来の商業施設は「利用者にとって継続性の無い体験イベントや購買がメインの売り買いの場となっている」とし、リテール業界でECが台頭しつつあるなか、利用者と出店者が「シームレスに」つながる空間を形成。「体験・共感・共創を生むコミュニケーションの場」にアップデートを図る。フロア面積は約1000平方メートル。
施設を運営する東急不動産とクリエーティブオフィスの企画・運営などを手がけるリアルゲイトが協業し、同社がフロアのトータルディレクションとオペレーションマネジメントを手がける。クリエーティブカンパニーのProject Oの栃澤克次さんがクリエーティブディレクターを、建築・デザイン事務所DDAA元木大輔さんがインテリアディレクション・デザインを、それぞれ担当する。極力壁を建てずに出店者と利用者を「シームレスに」つなぐほか、あえて「作り込みすぎない」空間に仕上げる。
フロア名は、リニューアルコンセプト「Lo-Fi Culture Collective」の略と街に「開かれた」コミュニティーを示す「LOCAL」という意味を込めた「LOCUL(ローカル)」。
リアルゲイトが培ってきたシェアオフィスのオペレーションノウハウを生かす。什器のシェアや利用者や出店者、オフィスワーカーなど全ての人が自由に利用できるラウンジなどの共用部を設けるなど、リテール分野にも「シェア」を取り入れることで、新たなリテール空間のあり方「シェア型リテールコミュニティー」の提案を図る。
フロア内には、ラウンジ・カフェ、ショップ出店者のバックオフィスとしての機能やショールーム機能なども担うワークプレイスなどを併設する。ポップアップストア・イベントスペース(情報発信スペース)は、6階の屋上テラス「おもはらの森」と連携しさまざまな発信を行う。
ショップは初期投資や契約期間などのレギュレーションを見直し、賃貸契約ではなく月額会員制度「サブスクLOCULメンバー」を導入。期間や場所、さまざまな形の什器を選べ、1日1平方メートル2,000円から出店できるようにする。メンバーには、同フロアにダイニングカフェを出店するEXplanning&company、同フロアで写真の展示や不定期でショップの出店を予定する写真家で映像作家の志津野雷さん、同フロアで毎月予定する「CINEMA DAY」の映画キュレーションを担当する長嶋源さんなどが決まっているという。