渋谷駅周辺に7月から、AI(人工知能)カメラの設置が進められる。
渋谷区のスマートシティ化を進める上で基礎となるビッグデータやオープンデータを推進することを目的に、一般社団法人渋谷未来デザインなどが2020年から産官学民で取り組む「渋谷データコンソーシアム」のプロジェクト。
渋谷データコンソーシアムの活動の中で、人流の実態や実数の把握が未整備であるという社会課題が見えてきたことから、同プロジェクトに取り組む。同法人と、1968(昭和43)年からほぼ4年に1度渋谷駅周辺の歩行者流動計測調査を行っている一般社団法人渋谷再開発協会、エッジAIカメラソリューション「IDEA」を提供するInelligence Design(渋谷区神宮前6)が共同で実施する。
同社はすでにセンター街や渋谷キャストなどにAIカメラを設置し人流データの取得・解析を行っているが、プロジェクトとして設置数を増やすことで、これまで各所の点だったデータから、渋谷エリアの面としてのデータの取得を図る。複合的に可視化・分析することで、防犯やマーケティングにおける新たな視座の獲得やデータ利用価値を模索する。
解析内容は、シルエットに基づく性別や年代といった属性情報、個人ごとの移動方向、滞在時間の計測などで、リアルタイムでAI解析を行う。ハロウィーンや年末年始のカウントダウン時など、混雑時の防犯対策として警備員配置の最適化や人材不足の解決などに役立てる予定。取得したデータは同社が保有するが、映像から抽出する情報には個人が特定できる情報は含まず、撮影した映像は解析情報を抽出後即時破棄し保存はしない。
設置場所は、渋谷駅に通じる駅周辺の主要幹線道路や駅周辺の商業施設前を中心に公園などその他施設を想定し、設置数は100基を目指す。場所によって新たに取り付けたり既存のカメラと付け替えたり、既存のカメラからデータを取得するなどする。
マーケティングにおける新たな視座の獲得やデータ利用価値を模索することを目的に、幹線道路の通行量や各商業施設への入店客数といったリアルタイムの利用者の属性情報や滞在時間などの人流データを複合的に可視化・分析したビックデータを一部オープンデータ化し、設置場所提供者など協賛事業者が利用できるようにする予定。