米写真家ソール・ライター生誕100年を記念した展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が今夏、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)9階のホールで開催される。
1923年生まれのライターは、1935年ごろに母親に買ってもらった初めてのカメラで写真を撮り始めた。1946年に神学校を中退して画家を目指してニューヨークに移住。1951年に「ライフ」誌にフォトエッセーが掲載され、1958年に「ハーパーズ・バザー」誌でカメラマンとして仕事を始めた。1980年代には商業写真から退くが、2006年、1940~50年代に撮影したカラー写真をまとめた初の写真集「Early Color」(独シュタイデル)で脚光を浴び、展覧会や実録映画が制作された。2013年に89歳で亡くなった。
今年生誕100年を迎えることを記念する同展。新たに発掘された作品によるカラースライド・プロジェクション、未公開のモノクロ写真、絵画などの作品群を含む400点以上の作品を通して、ライターの「素顔」や「色彩感覚の源泉」に迫る。一角には、ライターが60年間住み続け、現在ではソール・ライター財団の事務所として使われているアトリエの一部を「再現」する。
写真は、写真に取り組み始めた1950~60年代ごろのモノクロによる未発表のスナップ写真作品群と、同じピッツバーグ出身のアンディ・ウォーホルや、ジョン・ケージ、ユージン・スミスなど、当時交流のあったアーティストたちのポートレートを2部構成で紹介。ライターにとってライトボックスの上に置いたりアトリエ壁面に投影したり、光を通した状態で見るカラースライドだったというカラー写真は、カラースライドの複製を展示するほか、ライター自身が自宅で映写していた壁面サイズで「Early Color」の作品群を、10面の大型スクリーンで2020年以降に発見されたカラースライドを含む作品群約250点を、それぞれプロジェクションで紹介する。
開催期間は7月8日~8月23日。開催時間は11時~20時。入場料は、前売り=一般1,600円、大学・高校生800円、中学・小学生500円、当日=同1,800円、同1,000円、中学・小学生700円ほか。