文化発信拠点を目指す複合施設「IDEAL(イデアル)ビル」(港区南青山6)が5月27日、南青山エリアにオープンする。
骨董(こっとう)通りから1本入った路地に位置する同ビルは、地下1階~地上3階の商業エリアと個人の住宅で構成。商業エリアの面積は、共用通路など含めて288坪。建築設計は建築家の中村拓志(ひろし)さん(NAP建築設計事務所)が担当。外壁には、観世水をモチーフにしたマーブル模様の石や立体成型したオリジナルガラスを使っている。
エレベーターにつながるエントランスは、左官・挟土秀平さんが土壁をベースにした観世水をモチーフにした壁に仕上げ、エントランスホールにはファッションデザイナー・コシノジュンコさんがコールン鋼で制作した山と水の波紋を表現したオブジェ「山水」を装飾している。
通りに面した一角は建物をセットバックし広場を設け、プラントハンター西畠清順さんが社長を務めるそら植物園の農場で選んだオリーブの木をシンボルツリーとして設置している。
1階は2店舗が出店。2015(平成27)年~今年3月に青山通り沿いに店舗を構えていた英インテリアブランド「TOM DIXON(トム・ディクソン)」のデザインハブとなるショップ「TOM DIXON TOKYO」(TEL 03-6421-0846)が出店。店頭にはカフェ「THE CAFE by cadet」を併設しコーヒー(600円~)などのドリンクや焼き菓子(フィナンシェ650円ほか)などを提供する。営業時間は11時~18時。水曜・日曜定休。
レストラン「Dominique Corby(ドミニク・コルビ)」(TEL 070-9122-1898)はパリの老舗「ラ・トゥールダルジャン」総料理長を務めた経験などを持つドミニク・コルビさんが新橋で営業していたフレンチ割烹(かっぽう)を移転リニューアルした店舗。席数は16席(カウンター・テーブル各8席)。キッチンとカウンター席の間の垂れ壁には、挟土さんが豊穣のモチーフでありワインの材料であるブドウのレリーフを付けた。日本の食材・酒とフレンチを融合したコース(ディナー=フードはお任せ8品1万3,200円~、ドリンクはペアリング5杯8,800円~)を提供する。営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~21時30分。完全予約制。
2階は、1999(平成11)年~2017(平成29)年まで骨董通りでセレクトショップを出店していたセンプレデザイン(目黒区)が180平方メートルのイベントスペース「LIGHTBOX ATELIER/SEMPRE」(TEL 03-6407-9093)を展開。オープニングには、昨年亡くなったインテリアデザイナー橋本夕紀夫さんの模型を初めて一般に公開する展示会「ハシモトユキオの模型展」を開催する。開催時間は11時~18時(今月29日・6月5日は21時まで)。6月5日まで。
3階には、ライフスタイルショップ「IDEAL」のインテリアサロン「IDEAL TOKYO」(TEL 03-6426-5027)が南青山エリアから移転。デンマークを中心としたビンテージ家具の販売やオーディオ・シアタールームの提案などを行う。営業時間は11時~18時。事前予約制。水曜・日曜定休。
4階は一般非公開の能舞台。地下1階の伊システムキッチンメーカー「minotticucine(ミノティックチーネ)」は7月にオープン予定。