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渋谷・神山町に和菓子店「かんたんなゆめ」 日本橋から移転

「普段和菓子を食べない人にこそ、気軽に来ていただきたい」と話す寿里さん

「普段和菓子を食べない人にこそ、気軽に来ていただきたい」と話す寿里さん

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 和菓子店「かんたんなゆめ」(渋谷区神山町)が、渋谷・神山町にオープンして2カ月たった。

菓子を選べる「3種セット」と抹茶のイメージ

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 店主の寿里さんが2019年7月に渋谷で立ち上げた同店は、練り切りをはじめとする創作和菓子などを提供。寿里さんは専門学校で和洋菓子を学んだ経験はあるが、練り切りを作る技術は「ほぼ独学」で身に付けたという。

 「かわいい」と練り切りの見た目が好きだったという寿里さん。自身の「店を持ちたい」という思いがあったなか、専門学校卒業後は飲食事業を展開する企業で西日本エリアの店舗開発を担当していた。東京に出張していた際に、「練り切りが食べたい」と思っても売っている店があまりなかったことや、仕事がハードだった同時期に相談した人が、抹茶をたてて季節の菓子でもてなしてくれた際に「きれいで、見て食べているこの時間だけは全てをシャットアウトできる。(和菓子には)そういう良さがあると感じた」ことから、会社を辞め同店を立ち上げた。店名は、中国の故事「邯鄲(かんたん)の夢」から取ったもので「今を大切にしよう」という思いを込めた。

 しかしオープン後1年程度で新型コロナウイルス感染症が流行。当時は、松濤文化村通りの知人の店を間借りしていたため「しっかりとした拠点が欲しい」と物件を探し、日本橋に移転。元々決まっていた再開発に伴う取り壊しに合わせて、「街をつなぐという意味でも、(当店で)和菓子を、途中でコーヒーなどを買ってピクニックに行くようにも使ってほしい」と公園の近くを探し現在の場所に移った。

 「日常に溶け込む和菓子」をコンセプトに、「手軽に食べてもらえるよう」物販ではなくカフェ業態で出店。店舗は2フロアで、席数は2階を中心に18席を用意する。2階の床の一部を吹き抜けにすることで、2階の窓から差し込む光が1階に届き、1階の話し声が2階に届くなど両フロアでつながりを感じられるようにした。壁の色のグレーや、2階中央の「床の間」に飾る書道家・万美(まみ)さんが書いた禅語「壺中日月長」のかけ軸などは日本橋の店舗を引き継いでいる。ファサードのピンク色のネオンサインは「ピンクの和菓子店」というイメージ付けの意味も込めて日本橋の店舗から使っているが、建物の外壁がピンク色だったのは偶然だという。

 1カ月程度で見た目のデザインが変わる練り切り(480円)は、ふるさと・宮崎の銘菓「チーズ饅頭(まんじゅう)」を「新しい形で伝えたい」という思いや、コーヒーや酒などにも合うようにと考えたクリームチーズとレモンを練り込んだあんの「嬉々」と、抹茶あんの2種類を用意。そのほか、ごまのバタークリームと合わせた粒あんを竹炭とごまを使ったサブレで挟む「来る暮れ」、ホワイトチョコレートや抹茶を加えた「ピスタチオ羊かん」(各440円)、中のあんをラズベリーまたはほうじ茶カカオから選べるもなか(380円)などを用意。練り切り1種類とその他菓子2種類を選べる「3種セット」(1,300円)が最も人気だという。

 ドリンク(660円~880円)は、抹茶(770円)や浅いりほうじ茶、釜いりウーロン、茶、白川茶(煎茶)などの茶と、八女茶ジン、ほうじ茶ウイスキー、サンショウの実をウオツカに漬けて炭酸で割る「サンショウサワー」などのアルコールをそろえる。客単価は2,000円程度。

 SNSや口コミで知って来店する目的客が多く、20代後半~40代を中心に、上京した親を連れて来たり小学生が誕生日のケーキ代わりに買いに来たり、3世代で利用があるという。

 寿里さんは「普段和菓子を食べない人にこそ、気軽に来ていただきたい。息抜きしに来ていただければ」と呼びかける。

 営業時間は12時~18時30分。水曜日には夜間営業(23時まで)もしている。月曜定休。

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