ZINEやリトルプレスなどの書籍をはじめ、アイドルからノイズまで国内の音楽CD・レコードなどを扱い、店内にバーも設ける複合書店「ヨムキクノム」(渋谷区神宮前2)が原宿にオープンして、5月18日で1カ月がたった。
ウェブ制作やエンタメ事業などを手がけるラスファクトリー(神宮前3)が運営する音楽・ITの総合情報サイト「musit(ミュージット)」が経営。「呑(の)める本屋」として、4月18日にオープンした。店を構えるのは、千駄ヶ谷駅や北参道駅からも近い、周辺にセレクトショップやレコード店、バーなどが点在するエリア。ビル4階にある同店入り口に掛かかる、店名「ヨムキクノム」を表現した猿のイラストをあしらったのれんをくぐると、バーカウンターやDJブースなども並ぶ約10坪の空間が広がる。
取り扱うのは、musitが出版する雑誌や音楽・釣りなどをテーマにしたZINEなどの書籍50冊以上。CD、レコード、カセットなどは日本のミュージシャンのものが中心で、全て新譜。同誌のスタッフなど4人がバイヤーとなり、女性アイドルやノイズ、ごう音でギターをかき鳴らすロック「シューゲイザー」、米シカゴ発のダンスミュージック「フットワーク」などの「マニアック」な分野を集めた。オープン時のタイトル数は150ほど。
バイヤーの一人で、店長を務めるライターの仲川ドイツさんが「8年間酒屋に勤めていた」こともあり、店には「元酒屋」の仲川さんが選ぶ「都内ではなかなか見かけない」酒が多くそろう。「南蛮居酒屋風スカイボール」(700円)は、山形県鶴岡市にかつてあった居酒屋をオマージュ。レモンサワー(600円)は、宝焼酎やキンミヤなど甲類焼酎を4種類から選べる。
そのほか、ビールはハートランド(小瓶、600円)や国産のハラペーニョビール「ドン・ハラペーニョ」(缶、760円)など。日本酒(グラス、各種650円~)や国産スピリッツ(750円~)、クラフトジンやミード(蜂蜜種)などのボトルも用意する。つまみはチップスや缶詰などを主にそろえる。
店内では音楽イベントなども開き、今後も続けていくという。仲川さんはオープン後の客層や来店目的について、「20~30代もいるが、50~60代も多い。カセットやレコードは聴くだけでなく『モノ』としての需要もあり、推し活で買うケースも」と話す。「品ぞろえは今後も増やしていく予定で、店を育てていければ」と展望を明かす。
営業時間は12時~21時。日曜・月曜定休。