Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が5月15日、島根スサノオマジック(以下、島根)に勝利しチャンピオンシップ(CS)準決勝進出を決めた。
第3Qの最後に3Pシュートを決めるなど要所で得点したザック・バランスキー選手
レギュラーシーズン60試合を勝ち抜いた上位8チームがトーナメント戦で優勝を目指すCS。東地区2位のA東京は、西地区2位の島根との準々決勝で、1勝1敗でこの日の第3ゲームを迎えた。
立ち上がりから強みのインサイドで得点を挙げたA東京。ダブルチームを仕かけられたアレックス・カーク選手はアウトサイドにパスを出し3ポイント(P)シュートをアシストするなど、得点につなげ22-10とリードを奪う。
第2クオーター(Q)序盤は、マークマンを変える島根の守備に「かなりボールを要求していた」(安藤周人選手)セバスチャン・サイズ選手を中心に攻めたが、パス回しでミスが出たり島根の3Pが入り出したりしことから「自分が悪い流れを断ち切らないといけない」(安藤選手)と自身と外国籍選手の1対1を選択し連続で3Pを沈め40-34とリードを保つ。
後半序盤はカーク選手のリバウンドや小酒部大輝選手の3Pなどで得点を重ねるが、攻撃力の高い島根のペリン・ビュフォード選手や安藤誓哉選手にインサイドへのアタックを許し一時逆転を許す。ザック・バランスキー選手が長距離の3Pをブザービーターで決めるなどして60-55で最終Qを迎える。
サイズ選手がゴール下で体を張り得点を重ねたほか、小酒部選手が積極的に3Pを放ち再び2桁リードを奪うが、ミスからの失点もあり残り1分を切って試合を降り出しに戻される。それでも、バランスキー選手がファウルで得たフリースローを確実に沈め一歩前に出る。残り約12秒から島根の攻撃。ビュフォード選手が攻撃を仕かけるもスリップしボールが手から零れ落ちた。ボールを受けた周人選手は島根のタイムアウトが残っていたこともありシュートには行かず保持し、83-82で勝利した。
昨季のCSは島根に敗れ準々決勝敗退していたこともあり、「勝った瞬間はすごくうれしくて涙が出た」と言う周人選手。小酒部選手らも涙を浮かべていたが、「全員が何としても勝ちたかったと思わせてくれた」と話した。
デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)は、「素晴らしい環境の中でプレーできた」と多く集まった島根のファンに感謝の言葉を口にしつつ、「苦しい状況だったが、選手たちが良く戦ってくれた」と選手たちをたたえ勝利を喜んだ。
誓哉選手は「セバス(=サイズ選手)とアレックスがリバウンドを取るしかないと、インサイドを支配してきた所が違くて、1試合目と別チームと戦っているようだった。ザックもそうだがアルバルクを長く引っ張ってきた選手がプライドを持った戦いをしてきた。技術以上のものをコートに持ってきた感じがした。負けるべくして負けた」と振り返った。
準決勝の相手はレギュラーシーズン53勝7敗とリーグ最高勝率でレギュラーシーズンを勝ち抜いた千葉ジェッツふなばしとなる。アドマイティスHCは「当たりが強いフィジカルで負けないこと、ペースをコントロールして主導権を握ってプレーすること」を要点に挙げた。13日の試合で負傷したライアン・ロシター選手、故障者リストを外れた田中大貴選手らの出場可否については、帰京後医療スタッフと判断することから「まだ白紙」と言及した。
A東京はレギュラーシーズン終盤に連敗しているが、周人選手は「レギュラーシーズンとCSは全くの別物なので、もう忘れて良いと思う。どこでやられたのか何が悪かったのかを全員が反省して良い準備ができれば」とも。