Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が5月12日、島根スサノオマジック(同、島根)とチャンピオンシップ(以下、CS)初戦を戦ったが71-86で敗れ黒星スタートとなった。
レギュラーシーズン上位8チームが進出し、2戦先勝のトーナメント形式で今季の日本一クラブを決めるCS。東地区2位で勝ち上がったA東京は、西地区2位の島根との初戦となった。
立ち上がりこそ連続得点を許すが、開始約1分30秒と早いタイミングでタイムアウトを取り流れを切る。吉井裕鷹選手やアレックス・カーク選手らがアグレッシブな守備で島根にタフなシュートを打たせると同時に、ライアン・ロシター選手が起点として島根の守備を引きつけ、空いた吉井選手や笹倉怜寿選手、安藤周人選手らが3ポイント(P)シュートを決め20-13と逆転する。
第2クオーター(Q)序盤で試合を振り出しに戻されるが、安藤選手や笹倉選手のアタックからの3Pやゴール下の合わせのプレーで得点するなどして競り合う。しかし、同Q後半に「命取り」(デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC))と警戒していたミスからの失点で少しずつ点差を広げられる。セバスチャン・サイズ選手がイン・アウト両サイドで得点を重ねるなどしたが、35-44で前半を折り返す。
「もう一度ペースを取り戻そう」(アドマイティスHC)と後半最初にミスを誘発する好守を見せ、強みであるリバウンドからの得点で点差を詰める。それでも、島根のペリン・ビュフォード選手の得点・アシストを抑えきれず2桁に広げられると、A東京は身長2メートルを超える選手を3人同時に起用しゾーンディフェンスを敷く。島根の攻撃ペースを落とす時間帯も見られ、身長差を生かしたロシター選手の得点、カーク選手のリバウンドからの得点、小酒部選手が3Pに加えいち早くゴール下に走りバスケットカウント(得点に加えフリースロー)を奪うプレーなどで一時5点差まで詰め寄った。
60-67で迎えた最終Q。サイズ選手や安藤選手がゴール下で得点するも3Pを決めきれず徐々に点差を広げられる。同Q序盤に足を痛めベンチに下がるアクシデントがあったロシター選手もコートに戻り戦う姿も見せたが、追い上げかなわず敗れた。
アドマイティスHCは、第1Qの守備を「望んでいた展開。集中力高く、役割もしっかりしていた」と評価しつつ、「特に第2Q非常に目立った」と守備のミスを敗因に挙げ、「島根の流れ、勢いについていけず悔しい結果になった」と振り返った。
ビュフォード選手には得点・アシスト・リバウンドで2桁の記録を許した。マッチアップした一人である吉井選手は、10秒ほどの沈黙の後「好きなようにバスケットをさせてしまったのは自分の責任でもある」と唇をかんだ。止める手立てとして2~3個のプランを用意していたなか、ビッグラインアップは「はまっていた部分はあった」と手応えもうかがわせた。アドマイティスHCは「いかに抑えるかが鍵になる」とあらためて警戒した。
攻撃面では4選手が2桁得点を決めたが、42本と増えた3Pの決定率が28.6%と上がらなかった。島根ポール・ヘナレHCはインサイドの選手1人を欠くなか、「A東京はインサイドで力を発揮するチーム。長所を理解しながら短所に基づいてバスケットをさせたい」とインサイドの守備を固めた戦術がはまったかたちとなった。
両チームは13日も戦う。