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サンロッカーズ渋谷、今季最終戦を勝利で飾る 「集大成」見せる

3ポイントシュート2本を含む10得点を挙げた田渡修人選手

3ポイントシュート2本を含む10得点を挙げた田渡修人選手

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月7日、川崎ブレイブサンダース(同、川崎)を88-71で下し今季最終戦を勝利で飾った。

試合後笑顔で円陣を組む選手たち

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 昨年10月に開幕したレギュラーシーズン最終戦となったこの日。「60試合の総評価がこの1試合で決まるものではないが、どう終わるのか、サンロッカーズとして、各々としてもどのように今後つながっていくのか、節目として大切にしよう」(浜中謙ヘッドコーチ(HC))と臨んだ。

 立ち上がりからライアン・ケリー選手が高確率のシュートで得点を引っ張る。ミスやファウルで一時得点が停滞した時間帯にリングへのアタックやゴール下への飛び込みからの失点が続いたが19-21と競る。

 第2クオーター(Q)序盤は、「完璧に見えていたがボールがコントロールできず」田渡修人選手のパスが乱れ速攻を許す。それでも、ベンドラメ礼生選手がリスタートを早くしたのを見て「自分がどこのポジションに着くべきか」とコーナーに移動した田渡選手が「決めてやるという気持ちだけで」打った3Pが決まり流れを引き渡さなかった。

 4分近く川崎の得点を抑え逆44-36と逆転し迎えた後半。好守からの得点が続くと川崎がタイムアウトを要求。浜中謙ヘッドコーチ(HC)は、直前の守備で川崎のビッグマンに対し「両手を挙げてファウルをしないでタフショット打たせたことがあのシュートを生むきっかけになった。ディフェンスを大切にしているなかでリズムを持ってくるきっけとなりすごくうれしかった」と、ベンチに戻ってきた渡辺竜之佑選手とハイタッチを交わした。

 石井講祐選手の長距離の3ポイント(P)シュートやケビン・ジョーンズ選手のミスマッチを生かした得点など一時最大16点差を奪いながらも終盤に点差を詰められ65-57で迎えた最終Q。川崎のシュートをブロックするなど守備で我慢し、ケリー選手やジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がフィジカルを生かしたゴール下で得点を重ねるなど再びリードを広げ勝利を引き寄せた。

 「(クラブが掲げる)見ている方の心を揺さぶるバスケを体現してくれ、集大成を見せられたと言っても良いのでは」と評価した浜中HC。チャンピオンシップ進出が決まっている川崎は選手の出場時間を調整しながら戦ったが、「積み上げてきたものを100%悔いのないようやろう」と自分たちのスタイルを貫き戦った。

 今季は28勝32敗地区4位という結果となったが、「選手と一緒に戦って結果が伴わなかったことは大変悔しいし責任を感じている」と自責。シーズン途中から指揮を執ったが「周りにいてくれた選手スタッフ、多くのブースターの方々がいたことで、大変だったと思う部分もありながら、終わってみるとすごく気持ちよく仕事ができた。感謝しかない」と振り返った。

 この日25得点を挙げたケリー選手は、シーズン平均17.5点で攻撃を引っ張った。昨季ヘルニアで離脱したなか「アタックやシュートを決めるなど自分の役割が何かを再認識しなければならなかった。もっと高い確率で決められたらと思う所はあった」と言うが、チームが苦しい時間帯には「ミスを恐れずに自分がやる、やらなきゃいけないという考えはあった」と振り返り、「夏に取り組んで高い確率のシュートで戻って来たい」と続けた。

 得意の3P2本を含む10得点を挙げながらも「シュートを決め切れたのは良かったがそれだけ」と歯切れが悪かった田渡選手。1月にけがをした足首の状態が「20~30%」と言い、守備や起点となるプレーなど「もっといろいろなことをしたかった。若い選手ももっと出たいだろうが、ここまでしてくれたトレーナーもいるし、試合に出た時は何か結果を残したいという気持ちはずっと持っていた」と複雑な心境を明かした。

 プロになって初めてオフに一回もけがをせず「万全な状態」でシーズンを迎えたが、けがの影響でベンチ登録が30試合に留まった。「1カ月歩けなくて、正直今もいつちゃんとプレーができるんだろうという不安などいろいろな感情が出て、でも時間は止まってくれないし…めっちゃくちゃ苦しかった」と言う今季。

 それでも、「『心を揺さぶるバスケ』はプレーだけじゃない。声がけとかチームのためになるならやるべきだし、自分の仕事がある。そこのブレはなかった」と仲間を鼓舞し続けた。そう振る舞えたのも「妻もそうだが、周りのサポートが大きかった。一番仲が良い(ベンドラメ)礼生が家にコーヒーを飲みに来るだけということがよくあって、そういう時間がいろいろな葛藤の癒やしになった」と言う。その姿を見てきた浜中HCは「最後に彼の実力をコートで表現できて『バスケットの神様っているんだな』と、同級生というのを抜きにコーチとしてすごくうれしい」と喜んだ。

 SR渋谷のシーズンは終わったが、「結果が出なかったシーズンは特に寂しい。今日のような試合ができるならもっとできたなとか、もっと見せつけてやりたかったとかいろいろなことを考えた」と田渡選手。この日も多くのファンが来場したが、「声出し応援が解禁され、定型文みたいだが本当に力になっている。駄目な時はもう一回やるぞという気持ちにもなるし、良い時は勢いに乗れる励みになっていた」と感謝した。

ケリー選手は「どんな時でも味方でいてくれ、苦しい時にこそ応援を間近で感じられて心から感謝している」と言い、浜中HCは「僕自身にも温かい言葉をかけて下さり、サンロッカーズのスタッフで良かったとあらためて思わせてもらった。選手・スタッフもどういう道に進むか分からないが、今後もSR渋谷を応援してバスケットを盛り上げる一員になってもらえたら」とも。

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