Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が5月6日、国立代々木競技場第一体育館(渋谷区神南1)で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋D)と対戦し92-93で競り負けた。
安藤周人選手が「全て」と話した第1クオーター(Q)。安藤選手の連続3ポイント(P)シュートで好スタートを切るが、ルーズボールからの失点やゴール下に飛び込まれるなどして18-27とビハインドを負う。第2Q序盤はセバスチャン・サイズ選手がインサイドで体を張ったり、シュートブロックや長い腕を生かしてボールを奪い速攻を仕かけたり攻守でチームを引っ張ったほか、小酒部泰暉選手やザック・バランスキー選手らのアタックでディフェンスを崩し得点につなげるが、名古屋Dの外国籍選手を止めきれず39-50と2桁リードを許す。
1対1やリバウンド、外国籍選手を「フィジカルに守る」ことなど守備面を見直し迎えた後半。立ち上がりは吉井裕鷹選手リバウンドに絡んだほか、3Pに加えレイアップを決めたが、デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ(HC)は「身長もジャンプ力もあり身体能力も良いので、全部ダンクに行くくらいの力がある。盛り上がって一体感も出るし、流れを掴む意味でもインパクトのあるプレーをやってほしい」と、吉井選手にジェスチャーでダンクをするようアピールした。小酒部選手は「ピック&ロール(スクリーンを使った攻撃の一種)で得点狙いながらアシストすることなどが仕事だと思っている」と積極的にアタックしたほか、「空いたら打つという感じでやっている」と3Pは2本沈めた。
63-69で迎えた最終Qは安藤選手の速攻からのダンク、長い距離の3Pなどで試合振り出しに戻す。リバウンドで攻撃をつなぐプレーも見せた岡本飛竜選手のシュート、小酒部選手の3P、ライアン・ロシター選手、サイズ選手のリバウンドからの得点で一歩前に出るが、点を取り合い迎えた終盤に3Pで逆転を許す。最後の攻撃でロシター選手がシュートを放つがボールはリングに弾かれ試合終了となった。
26得点と攻撃を引っ張った安藤選手。古巣との対戦で昨季連敗してることもあり「負けたくなかった」と心境を明かしつつ、「点を取ったから良いではなく勝たせられなかったのがまだまだ実力不足」と唇をかんだ。「決めていれば延長にもいけた」と終盤に得たフリースローを1本外したことに触れたほか、最後に3Pを許した場面については「自分も絡んでいたが判断をミスってしまった」と自責した。
「ディフェンスのチーム」を掲げていることもあり「殴り合いの試合は苦手」(安藤選手)と言うが、前節から90点前後の失点が続いているA東京。安藤選手は「ディフェンスは崩壊しているしうまくいっていないが、修正できる部分はたくさんある。もっとコミュニケーションを取らないといけない」と改善点を挙げた。
前節、約2カ月ぶりに復帰した小酒部選手は、プレータイム制限があるなか3Pを4本中3本決めるなど15得点と得点を伸ばした。「思い切り打つことが大事なので(シュート確率は)気にせずにやっている」とは言うが、「前節よりタッチは良くなってきた」と好感触な様子で、「ファウルの使い方など(の感覚)が戻ってきていないので(チャンピオンシップまでに)取り戻せたら」と話した。小酒部選手自身「中心となって攻める役割り」と認識しているなか、安藤選手は「僕ら2人が中心してやらないといけない。コミュニケーションを取りながらチームのためにできることをやっていきたい」とも。
他会場の試合結果をもって、チャンピオンシップの初戦が昨季と同じ島根スサノオマジックに決まった。小酒部選手は「去年やられているので絶対に借りを返す気持ちで戦いたい」と闘志を燃やし、安藤選手は「オフェンス能力が高いので殴り合いをすると負けると思う。ディフェンスがキーになってくると思うので、『ディフェンスのチーム』というのを再認識しないといけない」と続けた。