渋谷ヒカリエ（渋谷区渋谷2）4階・ヒカリエデッキの壁面アートプロジェクトの第4弾となる作品が4月27日、公開された。

　ヒカリエデッキは渋谷ヒカリエの北側、東京メトロ銀座線線路の上部に位置する全長約190メートルの歩行者デッキ。同プロジェクトでは、ヒカリエデッキ中ほどに面した渋谷ヒカリエの北側外壁を使い、年に数作品、さまざまなアーティストの作品を公開している。

　第4弾となる今回、カナダ・ケベック州を拠点とするビジュアルアーティスト、ミュラルアーティスト、MORTさんの作品「GATHERING－結（ゆい）」を公開した。今回、モントリオールで開催される国際ストリートアートフェスティバル「MURAL Festival」を運営するクリエーティブ・エージェンシー「LNDMRK」と東急とのコラボレーションにより実現。さらに、今年で50周年を迎えるケベック州政府在日事務所とも連携した。

　カラフルでダイナミックな構図の画で知られるMORTさんはケベック大学モントリオール校でビジュアル＆メディアアート学士課程修了。アーバンカルチャーやスケートボードの世界、その他多くのことから影響、インスピレーションを受け、「それらをよりよく再解釈するために一度分解する」スタイルを確立。アニメなど日本文化に存在する多様性は、インスピレーションの源の一つになっているという。アクリル絵具やスプレーアートが中心で、イメージ転写、シルクスクリーン、木工などを用いた作品も手がける。

　ヒカリエデッキの最初の印象について、MORTさんは「流動的で、すごくダイナミックな場所。歩行者通路にもなっているので『動き』をイメージした」と振り返る。作品については、「蛇の神話を最初に読んでいて、結び目でギャザリングして（結びついて）、クラッシュ（爆発）するというイメージから『GATHERING－結』が生まれた。これまでのアートワークでもマテリアルとしてよく使っている布は今回、『流れ』のアイデアとマッチした」と話す。「デスノート」が好きだというMORTさんは「（通りかかって作品を）見る人が自由に翻訳して感じてほしい。ムーブメントだったり、ダイナミックだったりするイメージのほか、チョウなどピースフルな要素もあるので、明るい平和な感じをインスピレーションしてほしい」と呼びかける。

　MORTさんの作品公開は9月末までを予定。同プロジェクトでは、今後も継続的にさまざまなアーティストによるアートワークを展開していく予定。