店員が「友だち」として接客するカフェ・バー「友達がやってるカフェ/バー」(渋谷区神宮前6)が4月22日、原宿にオープンする。経営はkakeru(神宮前6)。
「人が忘れられない一日、一生思い出すような強烈な体験をつくりたい」という思いを根底に、コーヒー店のふりをしたバー「JANAI COFFEE」や、「やだなー」と思う事象を集めた「やだなー展」などを手がけている同社の新店。社員旅行中に社員から「近くにある友達がやっているカフェに行ってもいいか」という申し出があった際に、同社社長で動画クリエーター明円卓さんが「気持ちよさそうだな」「自分も行きたい」と思ったことから、「それが店の名前だったら皆が(そういう体験を)できるのでは」と考えたという。
構想から2週間程度で物件を決めたという同店。「新しいことが生まれる街」であることや、オフィスも近く「明るい人ばかりで、気が良い街」であることなどから原宿エリアを選んだ。店舗面積は約40平方メートル。席数は18席。ジェンダーにとらわれず老若男女、誰からも利用しやすいよう、深緑や白を基調にした空間で、カウンターやテーブルなどには花を装飾する。
役者やモデルなどエンターテインメント業界で活動する人たちが働いており、来店客を「来てくれたんだ」「久しぶり」などと出迎えるほか、雑談を交えながら「席ここで良い?」「何にする?」などタメ口を交えながら気さくに接客し、「バイバイ」と見送る。明円さんは「日本の飲食店は完璧な接客が求められすぎている。それをちょっと壊したい」と指摘し、「ちょっとでも嫌なことがあると低評価が付けられて残るが、『友達』という設定にすると設定上目線が対等になる」という思いを込めて、店のコピーを「Because I’m your friend(友だちなんだから許して)」と付けた。
メニューは約30種類をラインアップ。「大変そうだから簡単なので大丈夫だよ(ドリップコーヒー)」(680円)や「店員さんの間で一番人気なのってどれ?(いちごミルク)」(900円)、「あの田中が、いつも飲んでたの何だっけ?(りんごジュース)」(780円)、「この間試作でくれたやつ美味(おい)しかったよ(パウンドケーキ)」(650円)、「サッと出てくるおつまみ、何かある?(スパイシーオリーブ)」(500円)など、会話するように注文するメニュー名を付ける。「いつも飲んでるやつ」を頼むと、スタッフがランダムで選んだソフトドリンクが提案される。
バー営業(17時30分~)は「コーヒカクテルで可愛いの作って欲しいな~(エスプレッソマティーニ)」「これってさ、夏にみんなで飲んだやつ(トロピカルクローバークラブ)」(各1,400円)などのアルコールメニューも用意する。会計はキャッシュレスのみで、テイクアウトにも対応する。
口コミで広げるには「会話にのせないといけない」と考える明円さん。「『共犯関係』をつくると言っているが、お客さんが仕かけ人になって、当店のことを何も知らない人を『友だちがやっているカフェがあるんだけど行こうよ』と連れてきてほしい」と話す。
営業時間は12時~23時(17時30分以降はバー営業)。店頭では、ステッカー(1枚300円~)やTシャツ(4,000円)などのオリジナルグッズも販売する。