Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月20日の試合に敗れ、チャンピオンシップ(同、CS)進出を逃した。
CS進出残り1枠をかけ、負けられない戦いが続いていたSR渋谷。対戦相手の信州ブレイブウォリアーズ(以下、信州)は、けが人なども相次いでいるが、この日はさらに中心選手が欠場となったが、「自分達に集中して、自分達のプレーをしよう」と話し臨んだ。
西野曜選手のゴール下の得点で先制すると、リバウンドや好守から得点を重ね8-0と好スタートを切る。一時得点が止まるもライアン・ケリー選手のアタックや、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のシュートで得点を動かし、盛實海翔選手は得たフリースロー3本を確実に決めた。
第1クオーター(Q)で17-11とリードを奪ったが、浜中謙ヘッドコーチ(HC)は、SR渋谷は外国籍選手を1人欠いていたことや信州の状況から判断して行った選手交代で、「あまり練習でやっていないラインアップを起用してしまい、自分達を波に乗せることができなかった」と同Qで突き放せなかった点を敗因の一つに挙げた。
第2Qはボールが回るなど良い攻撃を組み立てるもミスが続き試合を振り出しに戻される。それでもベンドラメ礼生選手がインサイドへのアタックでファウルを誘発し、石井講祐選手は前線からプレッシャーをかけると「うまくボールを引っかけて取れた」と好守から得点を挙げ流れは渡さない。石井選手は「流れを引き寄せるようなプレーは意識しているので、あのタイミングであのプレーが出たのは良かった」と自己評価した。以降は一進一退の攻防が続き、29-28で前半を折り返した。
後半立ち上がりは西野選手が体格差などにも負けずに守ったほか、ベンドラメ選手は信州に渡ったボールを奪い返し、津屋一球(かずま)選手は信州のシュートをブロックするなど好守を見せる。
48-44で迎えた最終Q序盤にはベンドラメ選手のアタックから関野剛平選手の3ポイント(P)シュートが決まるなど7点差を付けるも、攻撃でミスが出て得点が停滞。連続で3Pを許すなど一時9点のリードを許すが、ケリー選手の3P、ベンドラメ選手、津屋選手のアタックなどで得点を重ねる。残り約23秒で3点差まで詰め寄ると、石井選手は「狙っていた」と信州のパスに手を出しカット。「誰かが取ってくれるのを期待して」コート外に出そうになったボールをコート内に残すもボールは信州の選手の手に渡った。「あれがもしマイボールになっていたら少しは変わっていたかと思うが、運というか、流れをつかみ切れていなかった」と唇をかむ。追い上げ実らず71-77で惜敗した。
終盤の戦いについて浜中HCは「フロアにいる5人だけでなく、ベンチにいる選手・スタッフもずっと声を出し続けて、誰も諦める素振りはなかった。しっかりシュートを決めてくれたライアン,パスを供給した選手も素晴らしかったし、粘りと我慢は少し見えた」と評価した。
敗れたことと他会場の結果からCS出場の可能性が消えた。浜中HCは試合後のミーティング後に結果を知ったことから、選手に言及はしていないというが、「組織として大きく目標としていたものが現時点でなくなってしまったこと、HCとして責任を感じているし、応援して下さっているブースター(=ファン)の皆さんに大変申し訳なく思っている」と謝罪の言葉を口にした。
しかし今季はまだ6試合残っている。「目標はなくなったが、見ている方の心を揺さぶるようなバスケットをすることが今シーズンを通してのミッションだと思っている。自分達のためにも、ずっと応援して下さる方がいるので、消化試合のような姿勢、マインドセットにならないようチームとして真摯に向き合って戦っていきたい」と意欲を見せる。
石井選手は「今のメンバーでできる限られた試合だし目の前の試合を勝つだけ。チケットを買って見に来てくれるファンの皆さんがいるし、しっかり試合をするのが僕らプロなので仕事として向き合っていきたい」と話す。会場にはSR渋谷ファンも応援に来ていたが、「結果だけ見るとがっかりさせてしまったが、残り6試合、少しでも『サンロッカーズを応援して良かった』と思ってもらえるような試合をしていきたい。残り少ないがまた一緒に戦ってほしい」と呼びかけた。