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原宿・太田記念美術館で「猫」の浮世絵展 擬人化、化け猫など

「なまず」(右)など「猫の当て字」は現存が確認されている5点が一堂にそろう

「なまず」(右)など「猫の当て字」は現存が確認されている5点が一堂にそろう

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 猫が描かれた浮世絵を紹介する「江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし」が4月1日から、原宿の浮世絵専門美術館「太田記念美術館」(渋谷区神宮前1、TEL 03-3403-0880)で開催されている。

閻魔大王などが猫で表現されている地獄のおもちゃ絵

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 浮世絵の中に描かれている動物のなかでも多く描かれているという猫。2008(平成20)年を皮切りに、各地の美術館で猫を題材にした展覧会が開催されている。同館では、2012(平成24)年に開催した「浮世絵猫百景-国芳一門ネコづくし」以来の開催となる。同展では約180点を展示する(前後期で全点入れ換え)。

 冒頭「猫は変幻自在」では、常に5・6匹の猫を飼っていたと伝えられるなど「愛猫家だった」歌川国芳の作品を展示。猫を中心とした絵で「かつを」「うなぎ」などの文字を描いた「猫の当て字」は現存が確認されている5点が一堂にそろうほか、日本橋=二本だし(かつお節2本)など東海道五十三次の宿場を猫に関するだじゃれに置き換えて描く「其まゝ地口 猫飼好五十三疋」(上中下、後期)などを紹介。

 猫を擬人化した作品も手がけたが、「猫の百面相」シリーズのように猫を役者の顔で描いた団扇絵が人気となると、その団扇を小道具として使った歌舞伎や浄瑠璃が上演され、「十二代目市村羽左衛門の与五郎 二代目市川九蔵のあハしま」のように、その様子が浮世絵に描かれるなどしたという。歌川と戯作者・山東京山がタッグを組んだ、猫が主人公の小説「朧月猫の草紙」も紹介する。

 2章は、こたつで寝る猫や障子の修繕をする女性と共に描かれた猫など、日常生活の中の猫が描かれた「ふりむけば、猫」。かつお節をくわえて逃げようとする猫を叱っているかのような女性などを描いた「絵兄弟やさすかた(鵺退治)」は、SNSで紹介すると「江戸時代のサザエさん」という反応があったという。

 3章は「猫が紡ぐ物語」と題する。談義本「田舎荘子」の一話「猫の妙術」に登場する、なかなか退治できなかったネズミをあっけなく捕らえた古猫に家主の剣術家が武道の心構えを説いている場面を描いた作品ほか、猫又、化け猫など猫が主役・重要や役割を担う作品が並ぶ。4章「猫に祈る」では、ネズミ避けに効果があるとされた絵の一つ「新田猫」などを展示する。

 最終章「猫と遊べば」では、「おもちゃ絵」「手遊び絵」とも呼ばれる子ども向けに描かれた浮世絵を紹介。擬人化した猫で表現するそば店やうなぎ店、地獄、温泉などの絵を前後期各21点展示する。1876(明治9)年に描かれた「新板猫之学校」は、1872(明治5)年に学制が公布され誕生した小学校が題材になっているほか、出初め式を描いた1884(明治17)年の「新板階のりのづ」には1876(明治8)年にフランスから購入したわん用ポンプのようなものが描かれるなど、「時代を写した」ものも描かれている。

 開館時間は10時30分~17時30分。 入館料は、一般=1,200円、高校・大学生=800円、中学生以下無料ほか。5月28日まで。月曜休館(4月26日~28日は展示替えに伴い休館)。

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