渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)と表参道ヒルズ(神宮前4)をメイン会場に東京発デザイナーがランウェーショーなどで2023年秋冬ブランドの新作を披露するファッションイベント「Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッション・ウィーク東京)2023A/W(東京コレクション)」が3月18日、閉幕した。
最終日を迎えたこの日は、デジタル発表で参加した「naokitomizuka(ナオキトミヅカ)」のショーで公式スケジュールがスタート。デザイナー富塚尚樹さんによる鮮やかなピンクやグリーン、パープルなどのカラーが利いたコレクションが披露された。
インドネシア・バリ島在住のデザイナー、ヘヴン・タヌディレージャさんが手がける「HEAVEN TANUDIREDJA ANTWERP(ヘヴン タヌディレージャ アントワープ)」は、渋谷駅西口地下広場を会場に、ショーを開催。今月17日に開幕し、今回東コレとも連携したファッション&デザインイベント「TOKYO CREATIVE SARON(東京クリエイティブサロン)」による、東京の街なかで行うランウェーショーの一環として、タヌディレージャさんが得意とする彫刻的なアクセサリーなどを採り入れた新作を発表した。
今回が初のランウェーショーとなった「TANAKA(タナカ)」は、渋谷ヒカリエ9階ホールAに、デザイナー・タナカサヨリさんが拠点とするニューヨークの碁盤のような「ストリート」を再現。会場中央では、ピアニスト壷阪健登さんがストリートミュージシャンのようにライブ演奏し、新作をまとったモデルたちが街なかを行き交うようにランウェーを闊歩(かっぽ)した。初のランウェーショーで「ブランドのコンセプトを表現したいと思った」(ディレクターのクボシタアキラさん)と言うコレクションは、シグネチャーとなるデニムを中心に「今までの100年とこれからの100年を紡ぐ服。性別と世代を超えて長く愛される服」を形にした。
インディゴや白、ブラウンなどのカラーをベースにした日本製のデニムは、洗練されたシルエットを強調するシンプルなデザインをはじめ、赤やオレンジ、緑などカラフルなパターンをあしらったジャケットやパンツ、サロペットなどのルックも登場。フランスに住むタナカさんの友人からビンテージのスカーフを取り寄せ再利用・再構築したというブラウスなどのアイテムは、ブランドにとっても新しい試み。ニューヨークのアーティストや日本の伝統工芸を扱う工房ともコラボレーションし「アート&クラフト」の要素も盛り込んだ。「デニムからスタートしたが、それだけにとどまらず予想を大きく覆したいと思った」(クボシタさん)と思いを語った。
フィナーレを飾ったのは、1991年東京都生まれのデザイナー吉田圭佑さん率いるブランド「KEISUKEYOSHIDA(ケイスケヨシダ)」。「THE LAST」と題し、渋谷駅西口地下広場に特設したランウェーでパワーショルダーや大胆なカッティングが目を引くコートなどを披露した。
主催の日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)によると、今シーズンは全58ブランドが参加。フィジカルでのショー発表は42ブランド、デジタル発表は16ブランドと、フィジカルが約7割に戻り、コロナ禍の低迷ムードから脱却。初参加17ブランド、海外からは6ブランドが参加した。2024 年春夏シーズンは、8月28日~9月2日の開催を予定する。