3月18日・19日に行われる「渋谷ダービー」を前に、サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)のベンドラメ礼生選手と、アルバルク東京(同、A東京)のザック・バランスキー選手が意気込みを語った。
Bリーグに属し、渋谷区をホームタウンに活動する両クラブ。今季は地区が異なることから、レギュラーシーズンでの対戦はこの2試合のみとなる。Bリーグでの戦績は、SR渋谷6勝に対し、A東京が19勝(中止試合3試合)と前に出ている。
今季の互いのチームについて聞くと、「けが人がいても日本人選手全員がつないでいて大崩れしない」(ベンドラメ選手)、「SNSを見ていても仲の良さが伝わる。試合中はハッスルしていて、得点が取れてリバウンドも強い選手もいて勢いに乗せちゃうと危ない」(バランスキー選手)と印象を話す。
要注意選手は、バランスキー選手=得点力の高いケビン・ジョーンズ選手、精度高く「しっかりしたバスケ」をする小島選手、ベンドラメ選手=セバスチャン・サイズ選手、アレックス・カーク選手、ライアン・ロシター選手のビッグマン3人の組み合わせを、それぞれ挙げた。
A東京にはSR渋谷に所属していたセバスチャン・サイズ選手がいる。ベンドラメ選手は「脅威であることは、一緒にプレーした僕が一番分かっている。特徴や抑えるべき所も分かっていても抑えられない選手でもあるとは思っているので、チーム全員で抑えたい」と意気込む。同じく、SR渋谷にはA東京に所属していたケビン・ジョーンズ選手、小島元基選手がいる。バランスキー選手は「一緒に乗り越えてきたものがあるからこそ、バチバチに対戦するのは楽しみだし、絶対に負けたくない」と力を込めた。
統計データを比べると対照的な点が一つ。バランスキー選手が「ディフェンスは絶対に負けない」と自負するよう、A東京は現在平均失点数が69.7点とリーグ1位を誇る。SR渋谷は現在平均得点が83.7点とリーグ4位に位置しているが、ベンドラメ選手は「ボールの回りやパスワークもすごく良いし、良いシュートもたくさん打てていて、3ポイントシュートも多いので結果として点数が増えている。そのオフェンスは特徴として生かしつつ、『ディフェンスのチーム』として失点を抑えたい」と話した。
一方で、共通点は東海大学出身選手が多く在籍していること。今季は共にリーグ最多の5人と日本人選手の半分を占めている。試合前の練習時間には同窓の選手同士が話す姿も見られるが、両チームの試合の時はちょっとした同窓会のような雰囲気になる。バランスキー選手は、コートに立つ10人の中で外国籍選手を除いた6人が東海大学出身選手という「可能性もあるんじゃないか」と笑い、ベンドラメ選手は「これだけ多いともう慣れた」と続けた。
もう一つ注目ポイントとなるのが、同学年で公私ともに「仲良し」と知られるSR渋谷のベンドラメ礼生選手、小島元基選手とA東京の岡本飛竜選手のマッチアップで、「楽しみ」と声をそろえる。「本人も楽しみにしていると思うし、岡本がお前を抑え込むぞ」とあおるバランスキー選手に対し、ベンドラメ選手は「彼のディフェンスはやっかいなので僕は無理をしません(笑)。バックコートでやり合うのは得策ではないので、ハーフコートで戦おうかな」といなした。
試合会場には両チームのマスコットがそろう特別企画も予定するが、「サンディーは日本で一番。機動力も違うし、怒っている・笑っている・悔しいとか顔一つで全部分かるのがすごい」(ベンドラメ選手)、「ルークの方がかわいいのは間違いない」(バランスキー選手)と互いに譲らなかった。
ベンドラメ選手は「『渋谷ダービーはこれだよな』という空気感、特別ファンの熱量がすごい高いとか面白いイベントになれば。敵味方関係なく盛り上げて皆で楽しんでほしい」と呼びかける。敵味方関係なく、全員で応援練習するなど「会場の雰囲気をぶち上げる何かがあれば面白い」と提案も。SR渋谷はいつもと異なる紫色のユニホームを着用するが、「多様性を意識したカラーリングも入っているので、渋谷区を背負う上でそこを理解してもらう良い発信の場にもなる」とも。バランスキー選手は「選手が全力でひたむきに頑張ることが一番盛り上がると思うので、いつも通りやっていきたい」と話した。
試合会場はSR渋谷のホーム・青山学院記念館(渋谷区渋谷4)。チケットは、18日は完売間近、19日は完売している。