19回目を迎えるファッションとアートを発信する「渋谷ファッションウイーク(以下SFW)」の開幕に先立ち3月10日、渋谷金王八幡宮(渋谷区渋谷3)で成功祈願が執り行われた。
2014(平成26)年3月に初開催して以降、春と秋の年に2回開催している同イベント。渋谷駅周辺の大型商業施設が参加し、「渋谷ならではの」カルチャーを発信してきた。今回も、都内複数エリアのファッション、アート、音楽などのイベントが一堂に集結するクリエーティブイベント「東京クリエイティブサロン」に参画し開催する。
今回は、「ENCOUNTER 『コロナ禍の約3年を経て圧倒的に失われた人・コト・モノとの『出合い』を紡ぎ出す』」をコンセプトに掲げる。参加施設は、cocoti SHIBUYA、SHIBUYA109渋谷店、渋谷キャスト、渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム、渋谷ヒカリエ、渋谷ヒカリエShinQs、渋谷マークシティ、西武渋谷店、東急プラザ渋谷、MAGNET by SHIBUYA109、RAYARD MIYASHITA PARK、Bunkamura。
メインコンテンツとして街なかの路上をランウエーに開催してきたファッションショー「SHIBUYA RUNWAY」は、渋谷ヒカリエのホールに会場を移す。ファッションディレクター山口壮大さんが主宰する有志学生ラボ「CULTURAL LAB.」ディレクションの下、文化服装学院の学生がショーを行う。今年100周年を迎える同校の歴史を日本のファッションの歩みと捉え、その間に発表されたデザイナーズブランドのコレクション、ギャル、ゴシック&ロリータなどのファッションカルチャーを学生がひもととき再解釈したルックを披露することで、ファッションカルチャーの変遷をたどる。表現しきれないファッションシーンは、コレクションルックの情報を学習したAIが生成したルックを映像で表現したり、アーカイブピースを展示したりして補完する。観覧は招待制で、希望はSFW公式ホームページで受け付けている。
会期中は、水中写真家・鍵井靖章さん、女優・木村文乃さん、イラストレーターMimiさんの作品展示(西武渋谷店)、阿波踊りエンターテインメント集団「寶船」とファッションブランド「HARE」がコラボレーションしたパフォーマンス(渋谷ヒカリエ)、マーケットイベント「渋谷デザイナーズマーケット」(渋谷キャスト)、「GOOD MUSIC × FASHION」をテーマにした観客参加型の DJパーティーイベント(渋谷スクランブルスクエア)、アーティストの支援活動を行う「さくら芸術文化応援団」初の作品展(渋谷駅ハチ公前広場ほか)などを展開する。
大西賢治実行委員長は「アフターコロナということで、(街の)人の流れもほぼ戻った。個人の自由はあるが、基本的にマスクをしないで楽しんでもらえるきっかけになると思う」と期待を込める。AIを導入したショーに関しては、「渋谷は最先端を行く自負もあると思うので、取り入れられるのは渋谷のスケールメリットもあると思う。ファッションは世相を映すもので、渋谷はそれが具体化している最たる場所だと思う。年表が見られるようになるのでは」とも
開催期間は今月17日~31日(コンテンツにより異なる)。