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渋谷・松濤にワイン専門店「THE WINE」 東急本店の売り場を移転

東急百貨店本店の売り場で使っていた什器を置き、テイスティングカウンターも設ける店内

東急百貨店本店の売り場で使っていた什器を置き、テイスティングカウンターも設ける店内

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 1月31日に閉店した「東急百貨店本店」のワイン売り場が路面店として移転するワインショップ「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」(渋谷区松濤1、TEL 03-3477-3582)が3月10日、オーチャードロード沿いにオープンする。経営は東急百貨店。

常時4種類を試飲できるセルフのワインサーバー

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 1970(昭和45)年ごろから和洋酒売り場を展開していた東急百貨店本店。同売り場を地階に移設した1990年(平成2)年に本格的なワインセラーを導入し温度管理を徹底したことから、同年代のワインブームのなか客からの支持を得ていた。

 東急百貨店本店の営業終了を発表した際、ワイン売り場の継続を希望する声が寄せられたことに加え、利用客と「リアル店舗における接点を持ち続けたい」という思いから専門店として移転し営業を続けることを決めた。利便性や常連客も「通いやすい」ことなどを念頭に出店場所を選んだ。

 「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE」の店舗面積は約150平方メートル。新規客も気軽に入店できるよう、ファサードはガラス面が広くなっている。店内には、東急百貨店本店の売り場の雰囲気を味わえるよう、同売り場で使っていた什器を再利用。ファサードや店内の一部には、「ワインを彷彿(ほうふつ)させる色」としてワインレッドを差し色で採用している。

 東急百貨店本店の売り場のコンセプトを引き継ぐ同店。「要望が多かった」ことから多く扱っていたブルゴーニュワインを中心に、世界のワインを「全方位形」で常時約2000種類ラインアップ。昨今「人気」の国産やナチュラルワインは取り扱いを増やす。東急百貨店のワイン売り場担当者約30人がテイスティングし選んだ「お薦め」トップ10(白・赤・ナチュラルそれぞれ)を紹介するコーナー、隔週土曜に開催する新着ワインを紹介するワインフェアの商品を扱うコーナーなども展開する。店舗は中央にガラス面を配置し空調を変え、温度変化に弱い種類をエントランスから離れた店舗奥に並べる。店内の温度は15度程度。プレミアムワインなどを扱うセラー(室温13度湿度70%)は、本店の売り場では施錠していたが、同店では自由に出入りができるようにした。

 エントランス近くにはテイスティングカウンターを設置。席数は東急百貨店本店の売り場からほぼ倍となる最大10席を用意する。土曜・日曜にはソムリエが立ち、ワインの有料試飲会を実施。ワインは「新着のブルゴーニュ」など週替わりのテーマに合わせて約10種類ラインアップする。このほか、ワイン生産者によるセミナーなど「ワインを楽しむ場」の提供を図る。

 新たなサービスとして、いつでもセルフで利用できる有料試飲ワインサーバーを設置。レジで貸し出すカードを差し込み、試飲したい種類のボタンを押すとワインをグラスに注ぐことができる。1杯60ミリリットルで価格は種類により変動する。種類は常時4種類で、オープン時は、「ミエ イケノ」(ピノ・ノワール 2020=990円、月香シャルドネ2020=1,210円)など国産ワインを用意する。提供するワインは無くなり次第入れ換える。

 「THE WINE」で働いていたソムリエの資格を持つ6人を含む7人がスタッフとして引き続き働くが、本社でワインのバイヤーを務めていた齋藤学さんが新たに店長を務める。「新しいお客さまを取り込んでいくことが一番大事。そして、ワイン文化の発信基地という役割も維持していきたい」と話す。

 今後は同店専門のSNSも始める予定で、新たな層へのリーチも図る。「分からない方にはワインはハードルが高いイメージもあるかもしれないが、そう感じないような雰囲気づくりなども心がけ、ワインに親しむ方が増えていけば」とも。

 営業時間は11時~19時。本店の売り場ではビールや日本酒なども扱っていたが、新店はワイン専門店となる。ビールや日本酒などは渋谷マークシティ地下の和洋酒売り場に集約している。

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